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[ワシントン 12日 ロイター] - 米労働省が12日発表した5月の消費者物価指数(CPI)は、前年比3.3%上昇した。エコノミストは前月と同じ3.4%上昇と予想していた。しかし伸びは依然として米連邦準備理事会(FRB)の目標である2%を上回り、労働市場が底堅く推移する中、FRBが9月前に利下げに動く可能性は低いとみられる。
CPIの前月比は市場予想の0.1%上昇に反し、変わらず。ガソリン価格の下落が家賃の上昇を相殺した。4月は0.3%上昇していた。
FWDBONDSのチーフエコノミスト、クリストファー・ラプキー氏は「FRBがソフトランディングを実現したかどうかはまだ分からないが、経済は減速しており、物価上昇圧力もそれに続くことになるだろう」と指摘。「インフレを巡る状況は好転している。第1・四半期の急上昇は特異だったようだ」と述べた。
CPIの発表を受け、金利先物市場では、早ければ9月に利下げが実施される確率は4分の3程度と、発表前より上昇。12月までにFRBが2度目の利下げを行うとの見方も強まった。
ガソリン価格は前月比3.6%下落。一方、4月に横ばいとなっていた食品は0.1%上昇した。
帰属家賃(OER)は3カ月連続で0.4%上昇した。
ブリーン・キャピタルのシニア経済アドバイザー、コンラッド・デクアドロス氏は「家賃の伸び鈍化の大半がまだCPIに反映されていない」と指摘。分析が正しければ、「コアインフレは今年後半に大幅に鈍化する見通し」という見方を示した。
中古車・トラックは0.6%上昇と、4月の1.4%下落からプラスに転じた。医療費も0.5%上昇。
航空運賃は3.6%下落。その他、新車、通信、家具などに加え、コアインフレの押し上げ要因の一つである自動車保険も下落した。
変動の大きい食品・エネルギーを除くコアCPIは、前年比3.4%上昇し、21年4月以来最も低い伸びとなった。市場予想は3.5%上昇、4月は3.6%上昇だった。
コアCPIは前月比でも0.2%上昇と、昨年10月以来最小の伸びとなった。市場予想は4月と同じ0.3%上昇だった。