FRBの9月利下げ観測高まる、5月CPIで物価圧力後退

[12日 ロイター] - 5月米消費者物価指数(CPI)上昇率が市場予想を下回ったことを受け、米連邦準備理事会(FRB)による9月利下げの可能性が高まったとみられている。

フェデラルファンド(FF)金利先物市場が織り込む9月までの利下げの確率は70%以上と、発表前の約50%から上昇した。また、12月までにFRBが2度目の利下げを行うとの見方も強まった。ただ、金利先物が織り込む確率は50%を超えていない。

アネックス・ウェルス・マネジメントの主任エコノミスト、ブライアン・ジェイコブセン氏は「3カ月間軌道から外れていたが、インフレは2%回帰への道筋に戻った」と述べた。

米労働省が12日発表した5月の消費者物価指数(CPI)上昇率は、前月比で変わらず、前年比3.3%上昇した。ロイターのエコノミスト調査では前月比0.1%、前年比3.4%上昇と予想されていた。

12日まで開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)では金利据え置きが広く予想されている。

FRBは前回のFOMC声明で、インフレ率は依然「高止まりしている」とした上で、「2%のインフレ目標に向けてのさらなる進展はみられない」とした。

FRBは今回のFOMC声明でこの部分を微調整し、より強いシグナルを送ることもできるとの見方も出ている。ただ、SGHマクロ・アドバイザーズの米国チーフエコノミスト、ティム・デュイ氏は、FRBが9月に利下げを行うと極めて強く確信していない限り、この文言が変更される可能性は低いと指摘。不確実性が高いため、FRBは選択肢を残しておこうとするだろうと述べた。

ジェフリーズのシニアエコノミスト、トーマス・シモンズ氏も、今回のCPIでFRBの決定や見通しに影響が及ぶ可能性は低いとの見方を示している。

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