[本日の一品]1万円切りで機能てんこ盛り、アンカーの完全ワイヤレスイヤホン「Soundcore A30i」

by 佐藤 文彦

イヤホンを購入する時には、音質はもちろん、着け心地やバッテリー持続時間、防水性能といった基本スペックに加え、ノイズキャンセリング性能、マルチポイント機能といった利便性を向上させる機能をチェックするのが一般的でしょう。

上述した性能、機能をすべて網羅した製品となると、1万5000円前後、音質や接続性にこだわれば数万円することも珍しくありませんが、できれば1万円以内におさめたいという人も多いはず。そこで、公式サイトやAmazonより8990円で購入できる、アンカーの「Soundcore A30i」を試し、実用性をチェックしていきます。

まず目をひく充電ケースのデザインについて。いわゆるリップスティック型のケースで、引き出しを開くように本体を取り出す形状になります。スタイリッシュでいいなと思うのに加え、カバンに入れて持ち運ぶ際、誤ってケースが開いてしまう心配が少ないのが魅力。厚みがあるので、ポケットに入れるとかさばりますが、重さは約47.4g(イヤホン本体含む)と軽量なので、手荷物として邪魔になることはありません。

イヤホン本体も約3.7gと軽量。小粒なカナル型で、耳が小さい人でも、比較的着けやすい印象です。イヤーチップは、本体装着済みのものを含めて3サイズ同梱されます。側面はタッチセンサーになっており、感度がよくスムーズな操作ができますが、特に着け外しのシーンで誤操作が起こりやすいのが難点。後述する「Soundcore」アプリでしっかりと設定をするのがおすすめです。

音質としては、ボーカルと中高音が前によく出ています。低音の響きもある程度感じますが、音圧は低めで、軽快な音の再生が得意な印象です。価格を考えると、バランスよくまとまっており、コスパは十分といえるでしょう。

また、アプリから「3Dオーディオ」をオンにすると、量感が広がり、臨場感が増します。かわりに音の輪郭がぼやける印象もあるので、再生するコンテンツに合わせて調節するとよいでしょう。もちろん、自分でイコライザーのカスタマイズをすることもできます。

ノイズキャンセリング性能は、自動的にレベルを調節できるほか、手動で5段階に調節でき交通機関や屋外、屋内といったシーン別の設定もできます。ノイズの除去レベルはフラッグシップ級とはいいませんが、電車内のノイズや人の話し声などはある程度除去でき、快適に使えます。1万円切りながら、環境に応じてノイズの除去レベルが調節できるのは、大きな特徴と感じます。

バッテリーはイヤホン単体で最大7時間、ノイズキャンセリングオン時は最大5時間の連続駆動が可能。充電ケースを併用すると、最大24時間(ノイズキャンセリングオン時は最大18時間)となります。イヤホンは約1時間、充電ケースは約2時間で満充電になります。一般的な使い方をしていれば、バッテリー不足を感じることは基本的にないでしょう。

そのほか、防水はIP54、Bluetoothのバージョンは5.4に対応しています。カラーバリエーションはブラック、ホワイト、ブルー、ピンクの4色となります。マルチポイント機能にも対応しているので、パソコンとスマホで同時待ち受けするといった使い方も可能です。

先に触れた通り、各種コントロールは専用の「Soundcore」アプリから行います。ノイズキャンセリグモードの切り替えやイコライザーの調節、3Dオーディオの切り替えができるほか、本体左右のタッチコントロールに割り当てる操作を設定できます。

設定項目は「1回タップ」「2回タップ」「3回タップ」「長押し」と豊富で、ある程度自由に機能を割り当てられるのがポイント。筆者の場合は、特に着け外しの際などに誤タッチが頻発するので、1回タップと長押しはオフにして運用しています。アプリのUIはわかりやすく、操作方法に迷うことは基本的にありません。

Soundcore A30iを実際に使っていると、完全ワイヤレスイヤホンに求められる機能をまんべんなく搭載していることがわかります。1万円切りの製品には、一部機能を削って安価に販売している製品も多く見られますが、Soundcore A30iでいえば、ワイヤレス充電機能がない程度でしょう。予算1万円で完全ワイヤレスイヤホンを探している人には、ぜひ試して欲しい製品です。

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