選択を間違えると即ゲームオーバー!?
フラグが立たなくなって詰んでしまうことや、意味がわからなくて先に進めないことも当たり前。あまりにも理不尽過ぎて、逆に楽しくなってしまう。そんな体験ができたファミコンのアドベンチャーゲーム3本を紹介します。
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1.『ミシシッピー殺人事件』
【あのひとについて おしえてほしい】
もともとは『Murder on the Mississippi』という海外のPCゲーム。1986年、ジャレコによって、ファミリーコンピュータに移植されました。
内容は、名探偵チャールズ・フォックスワース卿と助手のワトソンが、豪華客船の殺人事件を解決する推理ゲームです。相棒はワトソンですが、シャーロック・ホームズではなく、チャールズという謎の紳士が主人公。
誰?
【せんせいが だれかの しかけに ひっかかって しんでしまうとは……】
ファミコン版では、客室に落とし穴やナイフが仕掛けられており、あっさりとゲームオーバーになることで有名に。クリアしても、いったい誰が仕掛けたワナなのかはわかりません。
乗客が同じ証言を二度とせず、最大で3つまでしか証言のメモを保存できないのも理不尽に拍車がかかっています。 聞き込みの順番を間違えると「詰み」です。
筆者の母はノートに書き込んで検証しながら、数年かけて自力でクリアしていました。攻略本なしでクリアした母を尊敬できるほど、理不尽な推理ゲームです。
2.『美味しんぼ 究極のメニュー三本勝負』
【やまおかは、とつぜん、よのなかがイヤになってしまったようです】
東西新聞の山岡士郎が担当する究極のメニューと、美食倶楽部の主で山岡の父・海原雄山が作る至高のメニューとの対決を描いたグルメ漫画『美味しんぼ』。
原作のストーリーをベースにした、1989年発売の版権タイトルです。
全3話構成なのですが、なぜか第1話にはやたらとゲームオーバーになる選択肢が用意されています。アンコウを殴ったら腕が折れたり、突然世の中が嫌になった山岡がアンコウを海に投げ捨てたり、意味不明なゲームオーバーばかり。
頭を抱えてうずくまる山岡の姿が、今も目に焼き付いて離れません。
【 アンキモ、アンキモ、アンキモ! 】
とくに有名なのが、警察官にのぞきを疑われた場面で「たたかう」「にげる」「じゅもん」とRPGのようなコマンドが出現する一幕。じゅもんを選ぶと、山岡が「アンキモ、アンキモ、アンキモ!」と叫び、そのまま警察に連行されるシーンはゲーム好きの間で話題になりました。
筆者の母は射的の景品で本作を手に入れ、笑いながらクリアしています。
3.『時空の旅人』
【クタジマ-トシトは「ぐるめ」になれるか。食べ物の支配する歴史へ】
1986年に放映されたアニメ映画『時空の旅人』が原作。同じ年にゲームも発売されました。映画にも登場したクタジマ・トシトが、再び未来を変えるためにタイムスリップするオリジナルストーリーが展開します。
「はい」と「いいえ」だけのシンプルな選択肢で、織田信長や天草四郎などの質問に答えていくと物語が分岐。「お金が支配する歴史」や「愛の支配する歴史」などのパラレルワールドを渡り歩き、争いのない素晴らしい世界にたどり着くことが目的となります。
【おこった ひろぶみに なぐりころされました】
選択肢による分岐の細かさと、多彩なバッドエンド(ゲームオーバー)が特徴。歴史の偉人がやけに短気で、ちょっとでも機嫌を損ねると織田信長や近藤勇に切り殺されたり、伊藤博文に殴り殺されたり、天草四郎に呪い殺されたり、理不尽な「THE END」を迎えます。
正解しても、タイムマシンに乗り遅れるとアウト。お雑煮は「みそ」か「すまし」か、女性にもてるように見えるか、些細なことで怒る偉人たちの発言が妙に笑えるゲームです。
筆者の母がクリアしたかどうかは覚えていません。
(サムネイル画像:Peterpencil / Getty Images)