草津「性被害疑惑」投稿で炎上の元議員が直接謝罪 黒岩町長「冤罪」の弊害に言及 国民・玉木代表も謝罪

次の衆議院議員選挙で、国民民主党の公認候補として出馬することが公表されている元衆院議員・井戸まさえ氏が10日、自身のX(旧ツイッター)を更新し、群馬・草津町の黒岩信忠町長に直接謝罪をしたことを報告した。「本日、黒岩信忠草津町長に面会の時間を頂戴し、宮崎謹一草津町議会議長、湯本晃久草津町議会議会運営委員会委員長ご同席のもと、町長や町議会並びに草津町の名誉を傷つけたことに関し直接お詫びを申し上げて参りました。今後は事実を十分確認し、責任ある言動を心がけてまいります。」と明かした。

元草津町議の女性が黒岩町長による性被害を受けたと公表したのは2019年。ライターの男性が、元町議の女性の情報を元に「町長室で町長から性被害を受けた」とする電子書籍を配信した。町長は性加害を否定。しかし、元町議の女性が日本外国特派員協会で会見を開いて性被害を主張するなど大きな騒動となった。元町議の女性が町議会で除名処分を受けたため、支持者らが「#セカンドレイプの町草津」とハッシュタグを作って拡散するなどしていた。井戸氏も女性を支持する立場を示していた。

黒岩町長は、ライターの男と元町議の女と男の3人に対し、損害賠償を求めた民事訴訟を起こした。23年11月の本人尋問で元町議の女性は黒岩町長との肉体関係はなく、性被害を訴えた記者会見の内容も虚偽があったと明かした。今年の4月17日には前橋地裁が元町議の女性の証言を「虚偽」と認定していた。

5月31日に井戸氏が国民民主党の公認内定予定者であることが公表されると、草津の問題に対する井戸氏のスタンスがネットで炎上。井戸氏は6月3日にXで謝罪した。しかし、完全に“鎮火”はせず、井戸氏が直接謝罪に赴く形となった。

10日の直接謝罪後には国民民主の玉木雄一郎代表もXに投稿し、黒岩町長に電話で謝罪したことを明かした。「町長からは、男性が疑いをかけられた場合に冤罪の証明は困難であること、また、こうした冤罪事案が発生すると、本当に性被害を受けた方が声を上げにくくなることに留意してほしいと言われました。」と冤罪の深刻な弊害に言及があったことも伝えた。

井戸氏は11日にもXに投稿し、黒岩町長らから「事件の詳細について私の承知しなかった事実や背景事情」を聞いたと明かした。黒岩町長と草津町に対して「改めて申し訳ない思いでいっぱいになりました。」と心境を明かした。黒岩町長については「私や国民民主党についてマイナスが出ることは本意ではない、今日をもってこの件に関しては区切りをつける、とのお言葉をいただきました。」と寛大な姿勢で接してくれたこともつづった。

(よろず~ニュース編集部)

© 株式会社神戸新聞社