アイガモロボ出動 水田で実証実験 雑草生えにくい環境に

水田を動き回るアイガモロボット

 有機農業の産地づくり「オーガニックビレッジ」に取り組む日南町は、水田内を自動的に動き回って水をかき混ぜる「アイガモロボット」の実証実験を町内3カ所の水田で行った。農薬や化学肥料に頼らない有機米づくりで、農家の重荷になっている除草作業を大幅に削減できる。

 アイガモロボットは、スクリューの回転で水田の土を巻き上げて田んぼ全体を濁らせ、太陽光を遮ることで、雑草が光合成しにくいほ場環境をつくる。田んぼの雑草をアイガモに食べさせて除草するアイガモ農法をヒントにした。

 実証実験では、農業ベンチャーのNEWGREEN(東京)が開発を進める中山間地域向けの安価版アイガモロボットを使用。80センチ四方の大きさで、太陽電池で動く。

 5月21日に同町折渡の10アールの水田であった入水式には、農業法人の社員や町関係者らが参加した。衛星利用測位システム(GPS)を使ってまんべんなく動き、田んぼの縁に当たると方向転換。見学者からはロボット掃除機の「ルンバみたい」といった声が上がった。

 水田を管理する同町生山のノータス研究所取締役、藤原恵司さん(61)は「有機栽培の最後の課題が雑草。浅い地面でもスタックしないで動きそうで良い印象」と話した。秋に稲穂の育ち具合などを見て検証する。

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