カプコンが2025年に発売を予定しているPS5/Xbox Series X|S/PC(Steam)用ソフト「モンスターハンターワイルズ」。「モンスターハンター」シリーズプロデューサーの辻本良三氏、ディレクターの徳田優也氏、アートディレクター兼エグゼクティブディレクターの藤岡要氏へのインタビューをお届けする。
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Summer Game Fest 2024においてクロスプレイの実装や新たな映像の公開でさらなる期待が高まっている本作。映像では新たなモンスターやアクションなどユーザーの心をくすぐる要素が多く確認できた。本稿では「モンスターハンター」シリーズの制作スタッフとしてお馴染みの3名を迎えて、さまざまな点を深堀りしていく。
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■クロスプレイは初期段階から決めていた軸の要素
――まずは反響の大きかったクロスプレイについて、導入の経緯や苦労した点、そしてユーザーの要望から起こったことなのかを教えていただけますか?
辻本氏:Summer Game Fest 2024で発表させていただいたクロスプレイの反響の大きさには驚かされました。クロスセーブには対応していませんが、基本的なオンラインプレイには対応しております。
導入に至った経緯ですが、やはり要望が高かった点とゲーム開発の初期段階からクロスプレイの導入を軸に進めていたので、今に至ります。
また過去に「スト6」や「エグゾプライマル」などの作品でクロスプレイを行いまして、それらのノウハウや技術の蓄積が本作にも活かされています。
詳細もお伝えしたいのですが、オンライン周りの情報は断片的に出すと分かりにくくなるので、しっかりとまとめてから解禁するつもりです。
――開発はいつ頃から始まったのでしょうか。またこの方向性でいこうと思った背景について教えていただけますか。
辻本氏:2018年の1月に「モンスターハンター:ワールド」が出てまして、2019年に「モンスターハンターワールド:アイスボーン」が出ていますが、「ワイルズ」がスタートしたのは「アイスボーン」よりも前になります。この構想が実現するのかという話し合いからが最初になります。
次のスペックの機種は決めていたので、その基準で出来ることの最高峰をと決めていました。その時点でシームレス化は決まっていましたね。大型モンスターがどれほど出せるのか、群れで出せるのかは最初の頃から構想としてありました。なので企画自体はかなり早い段階から始まっていたことになります。
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――公開されたPVで主人公が喋っていましたが、その背景を教えてください。また自然とセリフ量も多くなりそうですが、これまで同様にキャラメイクでボイス選択は可能でしょうか?
藤岡氏:キャラボイスに関しては、ゲームを遊んでもらいながら物語、世界観を感じてもらうのが根底にあり、今回はとくにその点にはこだわりました。
その中で主人公だけ喋らないのは描き方として不自然でした。ただ、喋りで主導権を握ってキャラクター性を出していくのではなく、当たり前に喋ることは喋らそうというスタンスです。あまりに喋らないと自分が物語に関与している感じが薄くなるので、没入感を優先させてもらって、最低限のことは喋ってもらいました。
キャラメイクの面でも自分好みの声を数種類のなかから選べます。さらにアレンジすることで自分好みの声に調整できるように制作しているので、楽しみにしていただけたらと。
またオトモが喋ったことにも多くの反響を確認しています。こちらも喋ること関してはハンターと同じ理由ですが、何よりもゲームを助けるオトモとしての役割を優先した結果となります。
これは探索や狩猟中など状況の変化に応じてオトモがアドバイスをしてくれるのですが、「モンハン」のような展開の目まぐるしいアクションゲームはボイス化しないとプレイヤーに情報が届きにくい問題点を抱えていたためです。さらに物語中もパートナー的な立ち位置として愛着、深みが出るように喋るようにしております。
過去作通り、猫の声もオプションで簡単に切り替えることが可能です。そういった選択肢を残しつつもオリジナルも楽しんで貰えたらなと思います。
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――過去作との繋がりはあるのでしょうか?
藤岡氏:明確にしておきたいのは、何かのシリーズの続編という描き方はしていません。新作のシナリオです。禁足地という名前が「4」と同じなので気にされている方も多いと思いますが、あくまで一般的な入場が危険な場所として禁足地という名前を採用しました。
――今回初のシームレスマップですが、フィールドはどんどん広がっていくのか、それとも1エリア1拠点のような作りのどちらなのでしょうか?
徳田氏:シームレスで繋がった広大なマップに森林や砂漠といったエリアが増えていくイメージですね。ストーリーが進行するごとに規模が広がっていきます。
――シームレスになったことでクエストの流れも変わったと思いますが、討伐時間に変化などはありましたか?
徳田氏:「ワールド」と同じ難易度設計、時間設定を考えております。もちろんプレイヤーの腕やモンスターの強さで上下しますが、ベースは「ワールド」となります。
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■2つの武器を切り替えて遊ぶ新たな狩猟体験
――武器を2つ装備可能になったことで、スキルが揃わない懸念はありますが、そこはどのように調整していますか?
徳田氏:スキルやシリーズに対しては、ゲーム進めていく過程で機能が拡張していく調整にしています。まだ詳細はお伝えできませんが、スキルシステム自体は見直しておりまして、2つの武器がしっかりを遊べるような状態を目指しています。
――太刀や双剣、アックス系などの特殊なゲージは武器を切り替えると維持されますか? それともゼロになるのでしょうか?
徳田氏:維持されます。時間で減衰していく点に変更はありませんが、武器チェンジ時は維持されるので気にせずドンドン切り替えて遊んでいただけたらなと思います。ちなみにテントで切り替えた際はゲージがなくなってしまうので注意してください。
――騎乗中の攻撃方法が増えているように感じました。狩猟笛が乗りながら演奏できたり、操虫棍なら乗りながらエキスを回収できたりするのでしょうか?
徳田氏:基本的には地上でダメージを取ってもらうように設計しているので、それらの特殊行動は対応しておりません。あくまで騎乗中はモンスターを引っ張ってくるとか特別なシチュエーションでアクセント的に使っていただく方針で、それらに付随する形でアクションの使い勝手を少し広げた形になります。そのため全武器が騎乗攻撃だけで成り立つような設計にはしておりません。
――では、ボウガン系も通常射撃しかできないのでしょうか?
徳田氏:ボウガン系に関しては弾種の切り替えに対応しており比較的撃てるようにしています。ですが全ての弾を使用できないため、あくまで補助的な位置なことは変わっていません。
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――集中モードを使うとどのように操作が変化し、どのような方向性のアクションになるのでしょうか?
徳田氏:「モンスターハンター」シリーズの各武器の個性やコンセプトを活かして、「ワイルズ」においても武器の特長を伸ばす形で新規アクションを実装しています。照準カーソルに対して攻撃やガードを瞬時に繰り出せるモードで、集中モードを駆使することで当てやすくなるのがメリットです。
また今回は“傷”というシステムがあります。モンスターを攻撃していくと傷が付き、この傷を攻撃することで集中モードに関係なくダメージが増加、そして傷が潰れるとモンスターが大きなリアクションを取るというものです。
この傷に対して集中モードを行うと赤い導蟲でハイライトされて傷ついた箇所が判別しやすくなります。そこを集中モードで攻撃することで新規攻撃でに派生する仕組みです。
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――乗用動物のセクレトに育成要素はあるのでしょうか?
徳田氏:体毛の色が変更できるなどのカスタマイズ要素がゲーム進行によって開放されます。これは協力プレイにおいて誰のセクレトが分からなくなるのを防ぐ目的でもあります。詳細は後日また改めて発表いたしますので、お楽しみに。
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