【ガーデニング】雑草対策にグランドカバー!〈植えてはいけない?要注意多年草3選〉&〈おすすめの成長穏やかな多年草2選〉

ガーデニング豆知識:多年草ってどんな植物?

植物がのびのび成長する季節は、雑草もぐんぐん育ちますよね。「草むしりが大変だから、雑草対策にグランドカバー植物を植えたい」と考える方も多いのではないでしょうか。

しかし、生育旺盛で繁殖力が強すぎるグランドカバー植物は要注意。知らずに植えると管理が大変で「草取りの方が楽だった」と後悔するかもしれません。

反対に、成長が穏やかなグランドカバー植物は管理の手間が少なく、雑草対策の救世主になってくれるでしょう。

そこでこの記事では、生育旺盛で繁殖力が強すぎるグランドカバー植物3選と、成長穏やかなおすすめグランドカバー植物2選を、参考価格とともにご紹介します。

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この記事で紹介するグランドカバー植物(多年草)

【写真など1枚目/全7枚】春の満開時は美しいピンクのじゅうたんを織りなす「シバザクラ」他、2枚目以降でおなじみグランドカバープランツの注意点や魅力などを紹介します
  • ヒメイワダレソウ(リッピア)[常緑多年草]
  • アイビー(ヘデラ)[常緑多年草]
  • ヒメツルソバ(ポリゴナム)[落葉多年草]
  • シバザクラ[常緑多年草]
  • タマリュウ[常緑多年草]

植えてはいけない多年草?生育旺盛で繁殖力が強いグランドカバー3選

ヒメイワダレソウ(リッピア)[常緑多年草]

ランタナに似たかわいい小花を咲かせる「ヒメイワダレソウ」

ランタナに似たかわいい小花を咲かせるヒメイワダレソウ。春から晩秋まで長い期間花を楽しめます。また、成長が早いのですぐに地面を覆うことができ、踏んでも大丈夫など、メリットがたくさんあるグランドカバー植物です。

しかし、そのメリットを上回ってしまうのが繁殖力の強さ。タネの発芽率がよいことに加え、茎からも根を出して繁殖します。広がりすぎたヒメイワダレソウを抜いても、地中に少し地下茎が残っていれば、そこから発芽して成長するため、一度植えるとコントロールが難しい植物です。

ヒメイワダレソウは、環境省が定める生態系被害防止外来種リスト内の「重点対策外来種」に登録されています。

※参考価格:130~650円前後(3号ポット苗)

アイビー(ヘデラ)[常緑多年草]

葉色や形がオシャレな定番リーフプランツ「アイビー(ヘデラ)」

さまざまな斑入り模様や葉の形がおしゃれなアイビー。リースや寄せ植えで動きを出したり、カラーリーフとして彩りを添えたりと、使い勝手がよく人気のつる性植物です。

ただし、庭に植えるのは要注意。一度植えると茎からも根を出しながら一気に広がるため、後悔するかもしれません。

アイビーは上へ登る力が強く、家の外壁やフェンスなどに気根を出して張り付きます。つるをはがしても気根は取れず、外壁やフェンスが汚れる原因に。また、密に地面を覆う植物ではないため、アイビーの隙間から雑草が生えてしまい、草むしりの手間もあまり変わりません。

※参考価格:250~800円前後(3号ポット苗)

ヒメツルソバ(ポリゴナム)[落葉多年草]

金平糖のようなかわいらしい花と紅葉が楽しめる「ヒメツルソバ」

ヒメツルソバは、春から晩秋までの長い期間、金平糖のようなかわいらしい花を咲かせ、秋には葉が美しく紅葉します。冬には葉を落としますが、季節の変化が楽しいグランドカバー植物です。

しかし、ヒメツルソバも繁殖力がとても強い植物。ヒメイワダレソウ同様、わずかに残った地下茎からでも発芽します。タネの発芽率もよく、ブロックやコンクリートなどの隙間からも発芽して成長するため、各地で雑草化している植物です。

ヒメツルソバは、環境省が定める生態系被害防止外来種リスト内の「その他の総合対策外来種」に登録されています。

※参考価格:250~650円前後(3~3.5号ポット苗)

雑草対策の救世主!成長穏やかなグランドカバーおすすめ2選

シバザクラ[常緑多年草]

株いっぱいに花を咲かせる「シバザクラ」

シバザクラは、ソメイヨシノが散った後にサクラに似た花を咲かせるグランドカバー植物。花色はピンク・白・うす紫など春らしい色合いです。株いっぱいに花を咲かせ、満開になるとサクラの絨毯のような美しさに。少し段差のある場所に植え、こぼれるように成長する姿も素敵です。

日当たりのよい場所に植えると花付きがよくなります。お手入れは1年に1回でOK。花が終わった後に、草丈を下げる「刈り込み」と、広がりすぎた枝を切る「切り戻し」を行いましょう。梅雨前に作業しておくと、元気に夏越しできますよ。

※参考価格:100~400円前後(3号ポット苗)

タマリュウ[常緑多年草]

細く上品な葉が密生する「タマリュウ」も、優秀グランドカバープランツ

タマリュウは細く上品な葉が密生します。成長がゆっくりなので、レンガ・コンクリートなどの隙間や、狭い場所のグランドカバーにおすすめ。広い場所を覆いたい場合は「タマリュウマット」を購入すると、簡単に植え付けできますよ。

初めから密生させて植えられるので、植物が地面を覆うまでの草むしりもほぼ不要。日なたでも半日陰でも育ち、病虫害も付きにくく丈夫なので、グランドカバー植物では珍しく、ほぼほったらかしOKです。コンクリートの目地など、乾燥しやすい場所では水やりをしてください。

※参考価格:50~200円前後(2.5号ポット苗)、2400~3000円前後(30×60cmマット)

まとめにかえて

生育旺盛で繁殖力が強すぎる、要注意グランドカバー植物3選と、成長穏やかなおすすめグランドカバー植物2選をご紹介しました。

おすすめグランドカバー植物は、これまでたくさんの植物と接してきた記者イチオシの育てやすさ。草むしりが楽になること間違いなしの植物です。

生育旺盛で繁殖力が強い植物のメリットは、乾燥や病害虫に強く、肥料もほとんど必要ない、丈夫で育てやすい植物だということ。もし家にお迎えしたい場合はプランターで育て、外に広げないよう注意しながら楽しみましょう。

【ガーデニング豆知識】多年草ってどんな植物?一年草とどこが違うの?

一年草・多年草・宿根草の違いとは?

さいごに、宿根草と、多年草・一年草の違いも整理しておきましょう。

  • 一年草:発芽からタネができるまでのサイクルがワンシーズンで完結する植物
  • 多年草:開花後も生長を続け、翌年以降も開花が楽しめる植物。常緑性と落葉性がある
  • 宿根草:落葉性多年草を特に区別して「宿根草」と呼ぶことがある。開花後地上部分の茎や葉が枯れ、根は生きたまま休眠する。

参考資料

  • 環境省「生態系被害防止外来種リスト」

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