グイグイとスピード増していく HOKA「スカイワード X」

by 南井 正弘

実際に履いて使って走ってから書く、ライターの南井正弘が「コレはホントにスグレモノ!」と太鼓判を押すスポーツアイテムを、毎週レコメンド!

HOKA「スカイワード X」

厚底ランニングシューズのパイオニアとして知られるHOKA(ホカ)。ボンダイやクリフトンといったロングセラーのシリーズ以外に、最近ではバリエーションが増え、あらゆるタイプ、レベルのランナーに対応するプロダクトがラインナップされている。

今回紹介する「スカイワード X(SKYWARD X)」は、衝撃吸収性と反発性、推進力を高いレベルで兼ね備えた1足で、自分が考えているよりも、無理なく自然に速めのペースで走ることを可能にしてくれる。

ホカのスカイワード Xは、新しい発想で、ソフトなクッション性とスムーズな走り心地を極限まで追求したニューモデル。一歩踏み出すたびに押し戻される画期的なサスペンションシステムや、推進力の高い凸型のカーボンファイバープレートを搭載し、これまでにない走り心地で、快適さを与えてくれる。

また、足に最も近い位置にソフトで反発性の高いPEBA ミッドソールフォームを配し、高い安定性のスーパークリティカルEVAロッカーフレームの採用で、衝撃の少ない軽快で楽な走り心地を可能にしている。

足に最も近い位置にソフトで反発性の高いPEBA ミッドソールフォームを配したことで、これまでにない推進力を発揮する

このシューズを最初に見たときは、超厚底でカーボンファイバープレート入りというスペックから、2021年にリリースされた「ボンダイX」を思い出した。しかし実際に走ってみると、「ボンダイX」がどちらかというとゆっくりペースで超長距離を走るのに向くのに対し、「スカイワード X」は、ゆっくりペースだけでなく速めのペースにも充分に対応しており、ビギナーランナーから上級アスリートまでの幅広い層にマッチすることが分かる。

まず足を入れるとアッパーのフィット感が良く、320gという重量よりも、実際は軽く感じられる。また、反発性に優れたPEBA ミッドソールフォームを採用したことで、自然とペースアップできることも体感できる。それほど強く踏み込まなくてもPEBA ミッドソールフォームと合わせて内蔵されたカーボンファイバープレートとのコンビネーションにより、グイグイとスピードが増していくのだ。

アッパーには、リサイクルポリエステルを使用した、フラットニットを使用。シューズと足の、高いフィット感を生み出す
ミッドソール内部には推進力の高い凸型のカーボンファイバープレートを搭載。推進力と同時に安定性の向上にも貢献している

衝撃吸収性も高レベルにあることで、長距離を走ったあとも脚部へのダメージは最小限。レース前の最終調整で長距離を走るときに、ぜひとも履いてみたいと思った。

35,200円という価格は決して安くないが、その走行性能と汎用性の高さを考慮すると、決して高くはないと思った。

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