「三線の部」最高賞に19人入賞 2024年度沖縄タイムス伝統芸能選考会

 2024年度沖縄タイムス伝統芸能選考会「三線の部」最高賞の選考が8~12日、那覇市久茂地のタイムスホールで行われた。最終日の選考後、結果発表があり、応募者76人のうち19人が入賞を果たした。棄権者を除く入賞率は30.6%だった。

 4回目の挑戦で突破した比嘉定義さん(66)=宜野湾市=は「音程の取り方を師匠と特訓した成果」と、満面の笑みでホール前に掲示された入賞者名をスマホのカメラに収めた。「今までは途中で何を歌っているのか分からなくなった。本当に師のおかげ。ここまできたらグランプリまでいきたい」と精進を誓った。

 【選考評=末吉政利選考委員】合格された受験者の皆さまおめでとうございます。「昔蝶節」は10年ぶりの課題曲です。近年は演奏する機会が少なく力の入った稽古の日々であったと思います。正確に歌い通すという緊張感から節廻し、○拍子の手法が不十分な方が目立ちました。

 もう一方の「本花風節」は対照的に演奏機会が多いことから、テンポも細部の節廻しもスムーズに歌い上げていて、日頃の研さんの成果であると思います。

 両曲は特に細部の節廻しに技術的な力が要求され、この成否が合否の大きな分かれ目となりました。

 今後も師匠の元で日々努力を重ね、曲の習得はもとより技術的な手法、メンタル面を磨き、琉球古典音楽の継承に尽力されることを願っております。

 入賞者は次の通り。

(敬称略、受験番号順)

 工藤祥彰(43)=浦添市▽平岡美沙乃(37)=読谷村▽與那嶺直太(26)=南風原町▽平良航也(19)=恩納村▽瀬名波恵子(64)=石垣市▽岸本七重(49)=京都府▽不破洋子(41)=東京都▽垣花美希(32)=那覇市▽忰山貴之(48)=岐阜県▽小川弓枝(54)=那覇市▽大城結花(20)=南風原町▽フランク新菜(38)=東京都▽島尻裕巳(65)=与那原町▽平良美紀(36)=浦添市▽大橋容子(55)=豊見城市▽多和田健男(47)=嘉手納町▽比嘉定義(66)=宜野湾市▽内間響(39)=伊江村▽金城洋子(71)=豊見城市

© 株式会社沖縄タイムス社