中国、EUのEV関税再考を期待 株式市場は反応薄

[香港 13日 ロイター] - 中国国営新華社は、欧州連合(EU)が中国から輸入する電気自動車(EV)に対する追加関税を真剣に再考し、これ以上「誤った方向」に進むのをやめることを望むとする論評を掲載した。

欧州委員会は12日、中国から輸入するEVに最大38.1%の追加関税を7月から課す暫定措置を発表。中国商務省は自国の正当な権利を守るために必要な措置を講じると表明した。

新華社は「中国とEUは経済構造と規模の大きさを考慮すれば、主要な経済・貿易問題で協力するのが最善だ」とし、「EUが自らのEV産業を発展させるには、中国の強みを利用する方が費用対効果が高い」と指摘した。

また、EUと中国の貿易・経済関係は重要な岐路にあり、EUが戦略的、長期的な展望を持つことが重要だと強調した。

その上で、EUは双方が適切な解決策を見いだし、最悪のシナリオを回避するために協議を継続する一定の余地を残しているようだと指摘。「EUが真剣に再考し、誤った方向にさらに進むのをやめることが望まれる」とした。

<中国EV株は反応薄>

EUの追加関税発表は予想されていたため、13日の中国・香港株式市場のEV株は総じて反応薄。香港上場の比亜迪(BYD)は朝方の取引で7%以上値上がりしている。

シティはBYDに対する関税率が予想を下回ったと指摘した。

吉利汽車も2.5%上昇。上海市場の上海汽車は1%下落している。

これに対し、中国での販売比率が高い一部の欧州自動車大手は、中国政府の報復に対する懸念で株価が下落した。

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