東京都の小池知事、知事選への出馬を表明「東京大改革3.0進める」

東京都の小池知事が出馬を表明です。東京都議会最終日となった6月12日、小池知事は「東京大改革3.0を進めていく」と述べ、3選を目指して東京都知事選挙に立候補する意向を示しました。

午前11時半前、2期目最後となる都議会に出席するため登庁した小池知事は「気を最後まで引き締めて当たりたい」と述べました。そして、報道陣に笑顔を向け、都議会最終日の議場へと入っていきました。

本会議の最後に登壇した小池知事は「100年先も全ての人が輝く明るい東京の未来をつくることを大義として、都民が第一、都民のため、もっと東京を良くしたい。この私の思いに共鳴する多くの方々からの要請も踏まえ、もっとバージョンアップさせた東京大改革3.0を進めていく。その覚悟を持って7月の東京都知事選挙への出馬を決意した。これからも都民のために、都民と共に、もっともっと都政の発展へと全力を尽くしていく」と都知事選への出馬を表明し、自身が進めてきた「東京大改革」をさらに進めるとして3選を目指す決意を述べました。

その後、臨んだ主要5会派へのあいさつ回りでは、知事選で小池知事を支援する方針を表明している都議会自民党から協力を呼びかけられました。都議会自民党の菅野公一幹事長は「これからはぜひ一緒に都政改革3.0。ぜひ実現に向けて力を合わせていきたい」と語りました。一方、蓮舫参院議員の支援を表明している立憲民主党の部屋では、小池知事は「変えるべきは変え、守るべきは守る。この精神の下、これから選挙戦に向かっても公務を最優先にしていく。公約についてはむしろ毎日が公約のようなもので時代も変わる、変化が大変激しい。しっかりまとめて近いうちにお伝えする」と語りました。

<小池知事が出馬表明「東京大改革3.0」とは>

3期目を目指す小池知事は「東京大改革3.0」を進めていくと表明しました。都庁の担当記者による解説です。

2期8年の実績を前面に押し出した出馬表明といえます。その実績の継続を表したものが「東京大改革3.0」といえます。

都民ファーストの会東京都議団の滝口幹事長は「前回の知事選の時に掲げた『東京大改革2.0』をベースにした形になると思う」と話しています。前回の「2.0」では「都民の命を守り『稼ぐ』東京の実現」「『人』が輝く東京」「『都民ファースト』の視点での行財政改革・構造改革」の3本柱でそれぞれに細かい政策を掲げました。

この「2.0」から大幅に変えるのではなく、よりアップデートしていくものとみられます。特に新型コロナが落ち着いた小池都政の2期目後半では、18歳までに月5000円を支給する「018サポート」や、所得制限のない高校授業料の無償化など、子育て支援に力を入れてきました。また、先日発表された東京の出生率が0.99となり「1」を切ったことを小池知事は非常に危惧しているとされています。これらのことを踏まえると「子育て支援」が「3.0」の柱になるのではないかと思われます。もう一つは「防災対策」です。能登半島地震が発生したこともあり、首都直下地震などへのさらなる対策も考えられます。

<都議会会派の受け止めは?>

今回、小池知事が出馬を表明したことについて、都議会の各会派に聞きました。

知事が特別顧問を務める都民ファーストの会の滝口学幹事長は「強い思いが伝わった」と話します。滝口幹事長は「改めてわれわれも身が引き締まる思い。3期目についてはまさに『東京大改革3.0』という形で課題に対して対応していくという非常に強い思いがこもった表明だった」と評価しました。

一方、蓮舫議員の支援を表明する立憲民主党の西沢圭太幹事長は8年前に示した当初の公約に「一切触れない内容だった」と批判しました。西沢幹事長は「実績をいろいろ話されたが、当初の7つのゼロだったりそういったことが『ここまで進みました』という言い方は、本来、政治家が3選を目指すのであればするべき。そういったことに一切触れないので、やっぱりちょっとおかしいなと感じた」と述べました。

また、小池知事を支援する考えを示してきた自民党の川松真一朗政調会長は「政策が自民党に近づいてきた」として、知事との距離感が近くなっていると受け止めています。川松政調会長は「この4年間は1期目に比べると小池都政の政策は現実的になっていた。子育て政策から高齢者政策まで自民が過去に主張していたことに小池知事とは近づいた認識」と述べ、具体的な支援の方法については「要請があれば支援する方針なので、この後、動きが出てくると捉えている」と説明しました。

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