「できるだけ使われない」スマホを目指す「Light Phone III」登場

スマートフォンで絵文字やレシピを即座に作成できる世の中で、あるスマートフォンメーカーは基本に立ち返っている。

ニューヨークに本社を置くThe Light Phoneは、同社のデバイスはできるだけ使われないように設計されていると述べる。同社は特に、スマートフォンとそれに伴う常時オンのライフスタイルから解放され、よりオフラインでいたい人々を対象としている。

「当社のユーザーは、毎日どれだけの時間を取り戻しているか、また目的を持ってインターネットを利用する安心感について語っている」と、同社はウェブサイトで述べている。

同社のスマートフォン「Light Phone」の最新バージョンである「Light Phone III」は、7月15日まで特別価格の399ドル(約6万3000円)で予約注文が可能で、2025年1月に出荷予定だ。通常価格は799ドル(約12万5000円)。

いわゆる「ダムフォン(dumb phone)」であるLight Phone IIIは、通話とテキストメッセージは可能だが、アプリ、ソーシャルメディア、電子メール、インターネットブラウザーは意図的に搭載されていない。Light Phone IIIの最大の改善点は、3.92インチのモノクロ有機EL(OLED)ディスプレイだ。同社はプレスリリースでこれについて、「不要な邪魔を増やすことなく、パフォーマンスと全体的な使いやすさを大幅に改善した」と述べた。

前モデルであるLight Phone IIは、人気の電子書籍リーダーにも採用されている電子ペーパー画面を採用している。しかし、米CNETによるLight Phone IIのレビューでは、同僚のJessica Fierro記者がこの画面を弱点として挙げている。

「E Inkの画面は一般的なスマートフォンのものより反応が悪く、タイピングの遅さに慣れることができなかった。簡単なテキストを送るのに、文字を入力するたびに待たなければならず、かなり時間がかかった」とFierro記者は述べている。

Light Phone IIIは、背面に5000万画素、前面に800万画素のカメラを搭載。コンパクトカメラのような物理的なシャッターボタンも備える。その他、USB-Cポート、懐中電灯、指紋センサーなどが追加され、5Gにも対応した。

Light Phone IIIはダムフォンブームのさなかで登場した。ダムフォンとは、かつて多くの人が使っていたような、簡素な機能を備えたベーシックなモバイル体験を提供する携帯端末のことだ。万人向けというわけではないが、少なくとも今はデジタルデトックスへの切符となるかもしれない。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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