ゆいレール、新デジタル乗車券を発売 他アプリ干渉せず、社長「致命的な欠点改善」 沖縄

制限なく利用可能となったジョルダンのデジタル乗車券=12日、浦添市のてだこ浦西駅

 「乗換案内」のアプリを運営するジョルダン(東京都)と沖縄都市モノレール(那覇市)、琉球銀行(同)、日本信号(東京都)は12日、他のアプリの干渉を受けずに制限なく自動改札機を通過できる「ゆいレールのデジタル乗車券」の販売を開始した。

 従来のデジタル乗車券は一日乗り放題など観光客を中心に利用されていたが、交通系ICカードのアプリをインストールしていない端末での使用に限定されるなどの制約があった。沖縄都市モノレールは新サービスの導入で利便性向上を図り、乗客の増加と沿線観光スポットへの集客増加など相乗効果を期待する。

 技術を開発したジョルダンは国内で初めての提携。てだこ浦西駅で開かれたセレモニーで、同社の佐藤俊和社長は「県民や観光客の皆さんの利便性向上につながる。全国の他の鉄道機関での導入も検討していきたい」と沖縄からサービスを広げていく考えを示した。

 沖縄都市モノレールなどによると、これまではスマートフォンなどの端末に交通系ICカードアプリなどがインストールされていた場合、デジタル乗車券を改札でかざしても、デジタル乗車券の前に交通系アプリが先に反応してしまうなどの事例があった。そのため、デジタル乗車券の利用客には有人改札で駅員に乗車券を提示してもらうなどの対応を取っていたという。

 同社の渡慶次道俊社長は「致命的な欠点を改善することができた。交通混雑解消の一助となることに期待し、将来的に沿線イベントと連携できるような取り組みにつなげていきたい」と語った。

 購入はジョルダンのアプリ「乗換案内」から。いずれも大人1人の料金で、当日乗り放題券650円、24時間乗り放題乗車券800円、48時間乗り放題乗車券1400円、オフピーク乗り放題乗車券500円の4種類。24時間乗り放題乗車券は限定3千枚を特別キャンペーンとして600円で販売する。 

(当間詩朗)

デジタル乗車券販売開始セレモニーでテープカットするジョルダンの佐藤俊和社長(中央)ら=12日、浦添市のてだこ浦西駅

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