名古屋市天白区の住宅街に佇む喫茶店「とよのcoffee」。はじめは喫茶を楽しもうと訪れたお客さんも、カレーのおいしい匂いに誘われて、次回からはカレーをガッツリ食べに来てしまうと評判なんです。
手作り素材にこだわったカレーやメニューが、多くのお客さんを魅了しています。そんな知る人ぞ知る、喫茶店「とよのcoffee」に迫ります。
コーヒーが主役のはずなのに、いつの間にかカレーに!
2023年3月に念願の喫茶店をオープンさせたマスターの豊川清文さん。過去にフレンチやイタリアンで腕を磨いた経験のある、一流料理人です。当初、コーヒーと一緒に楽しめるようにと作られた自家製カレーですが、気づけば超本格スパイスカレーに大変身!
朝8時から、ドリンク代プラス600円と超お値打ちで楽しめる「モーニングカレー(朝カレーセット)」。とよのcoffeeの一番の人気メニューです。
選べるカレーは6種類から7種類です。中華調味料を使い、麻婆茄子風にアレンジしたキーマカレーや、レモンと新ジャガのさっぱりとしたチキンカレーなど、個性的なメニューがラインアップ。豊川さんはできるだけ同じものを作らないよう、常にメニュー開発を続けているといいます。
ランチになると、さらにスペシャルなカレーが登場
ランチタイムになると、モーニングでは食べられない限定メニューが追加登場。豊川さん自慢の逸品はキーマカレーです。麻婆茄子風カレーに、キノコたっぷりのホワイトソースをかけて、白いキーマに仕上げます。もはやカレー専門店でもお目に掛かれないスペシャルメニューです。
厨房には50種類ほどのスパイスをそろえ、わずか1年で約100種類のオリジナルカレーを作ってきたといいます。「言われてみれば、うちはカレー屋さんかもね」と笑顔で話す豊川さん。
閉店が早すぎる驚きの理由
とよのcoffeeの閉店時間は午後4時半。「少し早すぎないですか?」と聞いてみると、この時間に閉店しないと、仕込みが追いつかなくなるとか。
例えば手羽元のカレーは、約10種類のスパイスを使用。そのスパイスとヨーグルト、レモン汁に漬けて1日寝かせなくてはいけないそう。おいしさを生み出すためには、かなりの仕込み時間が必要になります。
さらに閉店時間が早すぎるワケは、カレー以外にも。
パンやマフィンもすべて手作り。発酵器を導入してパンを発酵させるため、酵母液も自家製にこだわっています。
そのほかサラダのドレッシングや、ナポリタンのトマトソース、プリン、アイスにいたるまで、調味料以外はほとんど自家製なんです。
午後4時半に閉店しても、休憩はカレーを煮込んでいる間のわずか10分だけ。手間や苦労といった概念すらなく、ただひたすら「お客さんのために、おいしいものを届けたい」。豊川マスターの絶え間ない努力に脱帽です。
取材協力【とよのcoffee】
住所:愛知県名古屋市天白区原2丁目202 びい6植田1F
営業時間:平日8時~16時30分、土日祝日8時~17時30分
定休日:水曜