テーブス海、次こそ日の丸を背負うために「河村と富樫が得意なプレー以外のところでアピールを」

6月11日、都内にて男子日本代表の公開練習が行われた。

6月22、23日に北海道・北海きたえーるで開催される「日本生命カップ2024(北海道大会)バスケットボール男子日本代表国際強化試合」(対オーストラリア)に向けた直前合宿として行われた今回の合宿には、事前に発表された24人のうち20人が参加。阿部諒、シェーファーアヴィ幸樹、市川真人、川島悠翔の4人は選考外となった。

トム・ホーバスHCは北海道大会には16人を連れていく意向を示し、有明大会を経てドイツとの強化試合を含むパリ・オリンピック直前のヨーロッパ遠征には14人で臨むプランを明かした。今回も熾烈なサバイバルレースが展開されているが、並々ならぬ思いを持って合宿に臨んでいる一人が、テーブス海だ。

ディフェンスを新たなアピールポイントに

188cmの長身とぶつかり合いにも強いテーブスは、昨年の「FIBAワールドカップ2023」の選考では最終盤まで残りながら、最後の最後でカットされた。

「前回は自分らしくないプレーをしようとしてしまって、持ち味であるサイズとスピードの部分を出し切れなかったです。河村選手と富樫選手がいるからこそ、自分はそれ以外の、彼らが得意なプレー以外のところでアピールしていかなければ差がつかないと思いますし、(河村と富樫が得意なプレーはチームにとって)必要でもないと思います。そこはこれからもトムさんとも話しながらやっていきたい」

テーブスは当時をそう振り返る。

彼の最大の持ち味はトランジションでのスピードを生かしたプレーだが、アルバルク東京で過ごした2023-24シーズンでディフェンス面での貢献をアピールポイントに加えた。「ディフェンスの気遣いやプレッシャーのかけ方、ディフェンスでの状況判断は間違いなくこのチームに必要だと思うので、そこを持ち味としてアピールしていきたい」とテーブス。

河村、富樫との最大の違いは言わずもがなサイズだ。ホーバスHCも3番手のPGとしてサイズを重視した選考を行なっており、そうした話題が出るたびに、テーブスの名を出している。

昨夏は西田優大がコンボガードのような役割でそのポジションに就いたわけだが、テーブスは選考途中までは選出当確と見られていた。本人が振り返るように、自身の持ち味を見失った最終盤での失速、および西田のステップアップによってそのポジションを逃してしまったのだ。

だが、2月のアジアカップ予選ウィンドウ1、特に2試合目の中国戦では高さのあるガードやフォワード陣を相手にしてもレイアップをねじ込む力強さを見せ、ディフェンスでも奮闘するなど、大きく存在感をアピールできた。本人も「3番手のPGとしてコンボガードもやりながら、多少手応えを得られました。少しプレーの幅も広がって、自分のこのチームにおけるポテンシャルという意味でも新しい部分を見付けられたと思います。そこで得た手応えはこの合宿でも間違いなく意識しています」と、確実にステップアップを実感している。

河村、富樫との連携も徐々に深まっており、「感覚も少しずつ身に付いてきています。3人のPGがどの組み合わせで出ても試合のペースは上がると思います」と自信を見せる。

今回の合宿でPGのポジションには河村、富樫、テーブスに加え、西田と佐々木隆成が残っている。ハンドラーという意味では、今村佳太もライバルになってくるだろう。河村と富樫はほぼ当確だとしても、残された4人はそれぞれに持ち味が違う。

ホーバスHCは北海道大会と有明大会に出場する全選手にプレータイムを与え、その試合の出来を見ていく構えだ。限られたチャンスをモノにし、今度こそ日の丸を背負えるか。テーブスの挑戦は続く。

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