サクランボの双子果が産直施設で大人気「かわいい」「初めて見た」 特設コーナー設け農家の収入アップに【山形発】

サクランボの「双子果」の量が、2024年は多くなっている。双子果は正規品ではないが、少しでも生産者の収入アップに…と、山形・東根市の産直施設に特設コーナーが設けられ、「珍しい」「おもしろい」と大勢が買い求めていた。

規格外でもおいしい「双子果」

6月11日、東根市の産直施設「よってけポポラ」には、今まさに収穫の最盛期を迎えている「佐藤錦」など市内で作られたサクランボが並び、平日にもかかわらず多くの人でにぎわっていた。

双子果だけが売られるコーナーもあり、1列ズラリと並んでいた。

2024年は、2023年の猛暑の影響でめしべが2つに分かれる異常が発生し、実がくっついた状態の双子果が多くなった。双子果は正規品として出荷できないが、量が多いため少しでも生産者の収入アップにつなげようと、初めて特設コーナーを設け販売している。

よってけポポラ・後藤隼一店長は「元々なってほしくなかっただろうが、できてしまってここまで大きくなった。実が両方食べられる双子であれば販売していいというルールを決め、少しでも農家の手取りがアップするようにと始めた」と語った。

特設売り場に生産者「ありがたい」

形が規格外の双子果でも味はおいしい。手間暇かけて作ったサクランボへの生産者の思いは、双子果でも同じだ。
生産者は「去年天候に恵まれて双子が多い。双子の売り場も今年開設してくださってありがたい」と話していた。

また、客から「両方にタネがあるんですか?」と尋ねられると、生産者は「タネは両方にある。1粒で2倍食べられる」と笑いながら説明していた。

生産者は「双子もかわいそうだから食べていただきたい。ちゃんとした双子しか持ってきていない、おいしいと思う」と話す。

「面白い」「珍しい」と興味津々

双子果の価格は正規品の半分程度だ。通常であれば摘み取られてしまうため、店頭に並ぶことは少ない双子果に買い物客も興味津々だった。

宮城県から訪れた客は「普通のより面白いなと。子ども受けがいいかなと思って。今日帰ってからの反応が楽しみ」と語った。
また、5袋買ったという客は「値段も安い。珍しいから友達にあげようと思って買った」と語った。

後藤店長は、「量が多い分、農家さんも持ってきてくれて、売れたら追加で搬入があり、このコーナーはにぎわっている。変わらずおいしく食べられるサクランボなので、ぜひ購入してもらって食べてほしい」と話している。

双子果はすべての品種を販売予定で、17日の週にかけて「佐藤錦」、その後、「紅秀峰」「やまがた紅王」の双子果が店頭に並ぶ。

双子果は特に県外の人にとっては珍しいようで、売り場では「かわいい」「初めて見た」という声が聞かれた。
やまがた紅王は1粒がかなり大きく、その双子果は一層食べ応えがありそうだ。

(さくらんぼテレビ)

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