井浦新主演映画『徒花-ADABANA-』10月公開決定 永瀬正敏撮影のキャラクター・ヴィジュアル公開

長編映画デビュー作『赤い雪 Red Snow』が第14回JAJFF(Los Angeles Japan Film Festival)最優秀作品賞を受賞するなど、繊細かつ圧倒的に作りこまれた世界観が国内外問わず高く評価されている甲斐さやか監督の最新作、日仏合作映画『徒花 -ADABANA-』が10月18日(金)に東京・テアトル新宿ほかにて全国順次公開が決定しました。

本作は甲斐監督が20年以上をかけ構想し書き上げ、満を持して映画化されたオリジナル作品。タイトルの『徒花』(あだばな)とは、咲いても実を結ばずに散る花、「無駄な花」を意味します。

国家により、ある“最新技術”を用いて[延命治療]が推進された、そう遠くない現代。一定の階級より上の人間たちが病に侵された時、全く同じ見た目の自分である“それ”が提供されたら?そして、病の身代わりになってくれたら?甲斐監督が現代に解き放つ、命の問題作がこの秋10月18日(金)にて公開の運びとなります。

主演は『ワンダフルライフ』でスクリーン・デビュー以来、近年『こちらあみ子』、『福田村事件』、『青春ジャック 止められるか、俺たちを2』と日本映画に欠かせない俳優・井浦新。井浦はプロットが出来上がる前から本作の出演を熱望。「甲斐さやか監督からこの映画の構想を初めて伺った時、身震いしたことを覚えています」とコメントを寄せています。

また、井浦新と同じく、本作の世界に惚れ込んで参加を即決したのが、『ノルウェイの森』でスクリーン・デビューを果たし、2021年には『あの子は貴族』で第35回高崎映画祭最優秀助演女優賞を受賞し、唯一無二の存在感を放つ俳優としても目が離せない水原希子。水原は「徒花は今の時代だからこそ、恐ろしくリアリティがあります」とコメントを寄せています。

更に『ドライブ・マイ・カー』での演技が国内外に高く評価され、新作が常に期待されている三浦透子。『三度目の殺人』でブルーリボン賞助演女優賞、『最初の晩餐』で第34回高崎映画祭最優秀助演女優賞を受賞した斉藤由貴。国内外の映画監督に愛され、日本アカデミー賞を4度受賞した経歴を持つ永瀬正敏。錚々たる確かな実力派俳優陣が、甲斐さやか監督最新作に出演を熱望し、大集結しました。

併せて、本作の編集には『落下の解剖学』で第96回アカデミー賞編集賞にノミネートされたロラン・セネシャルと『ドライブ・マイ・カー』編集担当の山崎梓が担当。甲斐監督と第一線のスタッフがタッグを組み、美しい化学反応が本作に解き放たれます。

また今回、永瀬正敏撮影のキャラクター・ヴィジュアルも公開。「自分」と、すべてを身代わりになってくれる、もう一人の自分の「それ」をデカルコマニー(転写)で演出したデザインとなります。自分と「それ」は一見同じの様で、全く同じではない。生き写し、完璧なコピーではない「それ」のヴィジュアルは、美しさ且つ不穏さが解き放たれているヴィジュアルに仕上がっています。

最新作『徒花-ADABANA-』公開にあたり、甲斐監督は「『徒花—ADABANA-』は、忙しい日々の中で、“私が失ったものは何なのか”という現代人の疑問に共鳴するものと信じています。是非、劇場でご覧いただきたいです」とコメントを寄せています。

[コメント]
甲斐さやか監督からこの映画の構想を初めて伺った時、身震いしたことを覚えています。
前作[赤い雪]に続き甲斐監督の描く新たなこの物語も、やはり無自覚に否応なく心に爪痕を残し、深いところまで沁み入ってくる。言語化し難い超オリジナルな世界観が広がっていて、台本の時点で既に唯一無二の素晴らしい作品でした。
だから主人公の新次を演じるならば、今まで培ってきた経験もフルで活かし、自分がまだ開いていない扉も全開にして挑む必要がある。全ての感覚をギラリと研ぎ澄ませながら、監督スタッフキャストの皆んなと摩訶不思議で無茶苦茶で奇怪な日々を過ごしました。撮影期間は苦しくて楽しくて最高に幸せでした。
私にとって甲斐組は至高の表現の遊び場です。皆さん[徒花]の香りに酔いしれて下さい。公開される日が待ち遠しいです。
――井浦新

この度、まほろ役を演じさせて頂き、井浦新さんをはじめとする俳優の皆様とお芝居を通じて、自分の未熟さを痛感しながら、たくさんの宝物を頂いた素晴らしい経験をさせて頂きました。
甲斐さやか監督が描く世界観は唯一無二で、『徒花-ADABANA-』は今の時代だからこそ、恐ろしくリアリティがあります。
井浦さんのシンジは本当に圧巻です。『徒花-ADABANA-』を楽しみにしていてください。
――水原希子

演出の際に選んでくださる甲斐監督の言葉がとても好きでした。観終わったあと、自分の心臓の音がより強く大きく聴こえたような気がします。今まで意識の外にあったものに、自然と目を向けたくなる、そんな感覚が残ります。必ず映画館で観ていただきたい作品です。
――三浦透子

母という、この切なくも美しきもの
母という、この切なくも恐ろしきもの
愛という業を腕(かいな)に抱きしめ、ひっ抱え、弱さも狡さも鬼の残酷も身体の奥にひっ抱え
ただひたすらに、子のために、ただひたすらに、己の思いを遂げるために。
甲斐さやか監督のディレクターズステイトメントを拝読した時、監督の深き思いに胸打たれました。と共に、その透徹(とうてつ)した眼差しの向こうにある「この映画の完成形」に想いを馳せるというより、私はただ、追憶の物語の中に、母として無垢に存在していようと感じました。
今回、甲斐監督の世界に参加でき、心より光栄に思います。
――斉藤由貴

甲斐さやか監督の独自で深いメッセージとビジョン、明確なビジュアルイメージと人物設計、細部までこだわり抜かれた映像と音、、、短い時間でしたが、再びその世界の中に身を置けた事、幸せでした。
そして今回は更に、演じ手と撮影(写真)二刀流で現場に呼んでいただいた事も感謝しかありません。
――永瀬正敏

スピードが早すぎて、自分のことも見失いがちな現代。恐れずに自分と向き合い、どう生きるべきかを改めて考えたい……そのような思いで書いた脚本に、同じ思いを持つ最高の俳優と最高のスタッフが集結してくれました。
「徒花—ADABANA-」は、忙しい日々の中で、“私が失ったものは何なのか”という現代人の疑問に共鳴するものと信じています。是非、劇場でご覧いただきたいです。
――甲斐さやか監督

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