”ご飯食べ放題”がピンチ「一番上がってほしくなかった」 価格転嫁できずに悩む米穀店も コメ価格が上昇

メ~テレ(名古屋テレビ)

最近、お米が値上がりしているんです。ご飯が食べ放題のお店も影響を受けています。

名古屋市中区にある「広小路キッチンマツヤ」。 ランチタイムは味噌カツ定食などが人気で、ご飯は食べ放題。 近くのオフィス街で働く人たちの強い味方です。 Q.ご飯はどれくらい食べた 「2杯食べた」(来店客) Q.コメの価格が上がっているのは 「めちゃくちゃ痛い。毎日食べているので落ち着いてほしい。おかわりがなくなったら、泣いちゃうよな」(来店客)

「一番上がってほしくなかった」

キッチンマツヤでは、5月からコメの仕入れ価格が上がりました。 これまでに比べて、ひと月1万5千円ほど仕入れ価格が上がる見込みです。 「他のものはメニュー変えたりできても、お米は変えられなくて、パンという選択肢もあるが、やはりお米。うちのメニューはお米が合うので、やめられない。一番上がってほしくなかった」(広小路キッチンマツヤ 仲江亜咲奈店長)

「働く人におなかいっぱい食べてもらうというコンセプトで始めたお店なので、ちょっと足りないなと帰ってもらうのは、うちとしては根幹をゆるがしてしまう」(仲江店長) 仕入れ価格の高騰が続けば、メニューの値上げを検討しなくてはならないと頭を抱えているといいます。

値上げの原因は…

主食のお米に、一体何が―― 「JAあいち経済連」によると去年、愛知県で収穫されたお米は11万8600トン。 猛暑などの影響で、例年より10%ほど少ないといいます。 一方で年間の消費量は40万トン、3分の2ほどを県外から調達しています。 最近は海外からの観光客も増え、お寿司などお米を使った和食の需要も増えていることから、お米の価格や供給に影響が出ているということです。

スーパーでは?

名古屋市千種区にあるスーパー「サンエース春岡店」のコメ売り場を取材すると― 「コシヒカリ」や「あきたこまち」などが並んでおり品揃えに問題はなさそうです。 「一時期、品薄のときがあったんですが、今は普段通りの品ぞろえができていると思っています」(サンエース商品本部長 宮下裕基さん) Q.コメの高騰など状況は 「コメ不足ではないと、私たちは思っています。ただ物流量が減っていますので、相場は確かに上がっています」(宮下さん)

飲食店が米を求めて…

そんな中、こちらの店では、最近こんな出来事が―― 「飲食店の方が、お米を仕入れできない状況に陥りまして、サンエースを3店舗ほど、お米を買い回りしたと聞いています」(宮下さん) 「サンエース」で人気のお弁当。 コメというコメ、すべての仕入れ価格が上がっているそうですが、お弁当の価格は据え置きで販売を続けています。 「実際5月上旬あたりに、6%ほど仕入れ価格が上がっております」(宮下さん) Q.耐え続けられますか 「できる限り頑張って、お客さまの笑顔が見れるよう頑張ります」(宮下さん)

名古屋の米穀店も苦悩

全国の米穀店が加盟する、日本米穀商連合会が5月に実施したアンケートによると、回答した約300の事業者のうち7割以上が「仕入れ価格が前年の同じ月に比べて2000円以上、上がっている」と答えています。 名古屋市守山区にある、丹羽米穀店。 主に飲食店などにお米を配達しているこちらでも、仕入れ値の高騰に頭を悩ませています。 「仕入れ値はすごく上がってます。大体10キロ単位で売っているが、売値を2~300円上げていますね」(丹羽米穀店 店主 丹羽良治さん)

取引先へ値上げ交渉も難しく…

新潟産のコシヒカリの仕入れ価格は、1年前の去年6月は30キロで8250円。 今年の5月末には30キロ1万円を超え、約2000円仕入れ値が上がりました。 「飲食店に今年始めに、どうしても上げさせてもらったが、そこからまたさらに価格が上がったので、上げてとは言えず、こちらでちょっと負担する形で持って行っていますね」(丹羽さん) 取引先へ値上げの交渉も難しく、厳しい状況が続きます。 「赤字です」(丹羽さん) Q.どれくらい赤字か 「(先月は)大体50万円くらいになる。いったん新米が出たくらいで、また価格が落ち着いてくれると助かるんですけど」(丹羽さん)

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