NASA、宇宙望遠鏡の技術開発に資金–生命が居住可能な系外惑星を直接観測

米航空宇宙局(NASA)は米国時間5月31日、宇宙望遠鏡で生命が存在する可能性がある天体を探すプロジェクト「Habitable Worlds Observatory」(HWO)の技術開発に資金を提供すると発表した。

HWOの目的は、太陽に似た恒星を周る居住可能な系外惑星を直接観測し、分光分析を使用して大気の化学成分を研究し、生命に関連する化学的特徴を検出することだ。

NASAは「超安定望遠鏡研究・分析(ULTRA-CT)」「天体物理学宇宙望遠鏡の技術成熟(TechMAST)」「アーキテクチャベースラインのためのシステムテクノロジー(STABLE)」に対して、総額1750万ドル(約27億円)の2年契約を与える。研究企業にはRockheed MartinやNorthrop Grummanなどが挙げられている。

「HWOは野心的なミッションとなるため、我々は慎重かつ戦略的なアプローチを取り、現在その基礎を築いている」と、NASA科学ミッション本部の天体物理学部門でディレクターを務めるMark Clampin氏は述べた。「大型宇宙望遠鏡から得られた技術と教訓をもとにしながら、政府、学界、産業界からの多様な専門知識を結集する必要がある」

NASAが現在運用している宇宙望遠鏡は「ハッブル」(Hubble Space Telescope:HST)、「ジェームズ・ウェッブ」(James Webb Space Telescope:JWST)。今後は「ナンシー・グレース・ローマン」(Nancy Grace Roman Space Telescope:NCRST)が2027年5月の打ち上げを予定している。HWOはこの後になる。

HWOのイメージ図(出典:NASA ゴダード宇宙飛行センター)

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NASAプレスリリース

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