不登校の生徒に学びの場を 山城塾で「自主夜間中学校」 教員免許保持者が無料で指導 沖縄

自主夜間中学の開校をPRする山城勝秀さん=5月21日、那覇市古波蔵のそてつの会

 那覇市古波蔵で無料塾「山城塾」を開いている山城勝秀さん(72)が4月、主に不登校の中学生を対象とした「自主夜間中学校」を開校し、生徒を募集している。市の助成金や有志からの寄付金を活用し、無料で学びの場を提供する。講師に中学や高校の教員免許保持者を確保し、小中学校の基礎教科を個別指導で教える体制を整えている。

 自主夜間中学は火曜、木曜の午後5時半から、那覇市在住の中学生を中心に、小中学校レベルの国語、数学、英語、理科、社会を教える。無料塾が困窮家庭の子を中心に受け入れ、ボランティアの大学生や社会人が指導しているのに対し、自主夜間中学は不登校の生徒を対象とし、教員免許保持者が授業する。将来的には夜間中学に通った分を「出席扱い」と認められるよう調整したい考え。

 山城さんは元小学校校長で、2012年に定年退職した。17年から那覇市の民生委員・児童委員を務めた際、子どもの貧困問題の深刻さを知り、「子どもたちのためにできることはないか」と考え、無料塾を立ち上げた。

 無料塾では学習以外にも遠足や誕生日会、スポーツなどに取り組んでおり、夜間中学でもさまざまな行事を実施する予定。「勉強だけでなく、集団での交流を体験させたい」と語る山城さん。ゆくゆくは無料塾と夜間中学の相互交流も模索している。

 山城さんは「学校に行きにくい子や、学び直しをしたい卒業生も受け入たい。子どもたちの実情に合わせた学習の場を提供していく」と入校を呼びかけた。問い合わせは山城さん070(5818)5850。

 (外間愛也)

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