残り200ヤードで手前に外す確率は70% 攻めるか、刻むかの境界線はどこにある?【上手い人の頭の中】

200ヤード先のグリーンを外す可能性が高いのだから、その90%の分析が欠かせない。AかBのエリア(手前)に外す見込みが70%ということは、バンカーが苦手な人は絶対に避けなければいけない。その対処法が2つの「狙い目」だ

200ヤード先のグリーンを目がけて果敢に攻めたところ、リキんで引っかけて奥へ外したり、球がスベって右のラフに入ったり、手前のハザードにつかまったり……とトラブルにハマり、気が付いたら“ダボ・トリ”を叩いてしまった。そういう苦い経験がある人は多いのではないでしょうか。

90切りを目指すアマチュアが、ピン(センター)まで200ヤードの2打目でパーオンする確率は、ほぼ10%と見ています。言い換えれば、グリーンを外す確率が90%あるということ。その90%を細分化して、どのエリアにどのくらいのパーセンテージで外すかを考えれば、自ずと狙い方の選択肢が絞られてきます。これまでレッスンをした経験を元に見立てた内訳が、このイラストになります。

グリーンを外す確率が90%のうち、70%がグリーンの手前(AとB)です。つまり、このグリーン手前が優先してケアすべきエリア。そこにはガードバンカーが2つ並び、バンカーにつかまったら叩く可能性が高まります。“200ヤードのピン狙い”というカードは捨てなければなりません。

レイアップするか、奥目に突っ込むかの2択

一方、グリーンの奥(CとD)に目を向けると、そこへ行く確率は合わせて10%。10回打って1回ということです。その他のミス(E)をする確率も同じ。パーオンする確率(10%)と同じくらいなので、奥とその他のミスはあまり気にしなくていいでしょう。

このようにリスク管理をして見えた答えが、2択です。「【1】グリーン手前のバンカーに届かない160ヤード地点にレイアップする」。その場合、その人なりの「得意な距離を残す」というプランもあります。もうひとつは「【2】やや大き目のクラブで210ヤードを狙う」。バンカーを避けてやや奥を狙って、ちょっと距離が落ちたら、グリーンに乗る可能性もあります。

【1】が成功しても、レイアップをする以上は「3オン2パットのボギーでOK」と“初志貫徹”が肝心です。上手くレイアップできると「あわよくば寄せワンでパーもあるぞ」と、色気が出てくるもの。その3打目がいいところに乗ると、今度はファーストパットで自分に余計なプレッシャーをかけたり、ムリに狙って大オーバーをして、3パットの素ダボに……。これでは2打目のレイアップが台無しになってしまいます。“パーを捨てる勇気”を持つことも覚えておきたいですね。

■和田泰朗
わだ・ひろあき/1976年5月10日生まれ、宮城県出身。大学で動作解析や運動生理を学んだ。その後、世界的なゴルフ指導者組織のUSGTFで最高レベルのコーチとなり、のべ3万人を指導した。Seven Brainz所属。

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