「スターライナー」に5回目、5カ所のヘリウム漏れ–地球帰還に問題なしと判断

Boeingの宇宙船「CST-100 Starliner」(スターライナー)に5回目となるヘリウム漏れが検出されたことが米航空宇宙局(NASA)から明かされた。

Starlinerは有人飛行試験(CFT)のため「Atlas V」ロケットで6月5日に打ち上げられた。搭乗した宇宙飛行士は、6日に国際宇宙ステーション(ISS)に到着している。ヘリウム漏れなどが原因で打ち上げが何度も延長された経緯がある。

NASAによれば、Starlinerの運用チームは「サービスモジュールのヘリウムマニホールドの5つの小さな漏れが、残りのミッションにどのような影響を与えるか」を調査しているという。NASAは6日のISSへのドッキング時にも4カ所の漏れがあると述べていた。

ヘリウム漏れの影響評価を進めた結果、現在の量ならISSからの帰還には十分な余裕があると判断した。StarlinerがISSにドッキングしている最中は、すべてのマニホールドは閉じられるので、タンクからのヘリウムの損失は防がれる。

カナダのケベック上空を周回しているStarliner。日本時間6月6日午後1時34分にISSの「Harmony」モジュールにドッキングした(出典:NASA)

Starlinerは4人乗りの宇宙船で、NASAとの契約「商業乗員輸送プログラム(Commercial Crew Program:CCP)」のもと、宇宙飛行士をISSに輸送する(CCPでは、すでにSpaceXの「Crew Dragon」が実運用されている)。

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NASA発表

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