盆栽が盗まれる被害相次ぐ 転売目的か?海外の"BONSAIブーム"が要因との指摘も

メ~テレ(名古屋テレビ)

各地で盆栽が盗まれる被害が相次いでいます。背景には、海外での盆栽ブームがあるとみられています。

午前4時半ごろ、カメラに映るのは、ニット帽にマスク姿の人物。屋外に並べられた盆栽を物色しています。 1つ、また1つと盆栽を手に取り、持ち去っていきました。これは去年12月、三重県内の盆栽園で撮影された防犯カメラの映像です。 「犯人は盆栽園を囲っていた金網を破って侵入し、盆栽を盗んでいったということです」(記者) この店が被害に遭うのは、これが3度目。去年3月以降、3回にわたり、あわせて260点ほどの盆栽を盗まれました。 「商品は商品だが、生き物なので愛情かけて育てている。それを盗まれるとやっぱりさみしい感覚になる」(盆栽園 園主) 盗まれたのは商品として保管していた盆栽で、被害額は合わせて約1250万円に上るといいます。 「小さい車で3人組で来て手分けをして、門をくぐって盆栽を盗んだ」(盆栽園 園主)

被害額は約3000万円

三重県警によりますと、県内で盆栽が盗まれる被害は、去年7件確認されています。 今年も被害は続いていて、4月には愛知県警が神奈川県内の男性の盆栽7点、時価あわせて530万円相当を盗んだ疑いで、ベトナム国籍の男2人を逮捕。その後、処分保留のまま釈放されています。 さらに5月、稲沢市の男性の盆栽2点を盗んだなどとして、別のベトナム国籍の男(25)が逮捕・起訴されています。 愛知県警によりますと、県内では去年12月末から盆栽が盗まれる被害が少なくとも17件確認され、被害額は約3000万円に上るということです。

外国籍の窃盗グループが転売目的か

なぜ、盆栽の窃盗が相次いでいるのか。 日本盆栽協同組合の組合員が指摘するのが、海外での盆栽ブームです。 2019年以降の盆栽の輸出額を調べてみると、ほぼ右肩上がりで増え、去年1年間だけで約9.2億円に上っていることが分かります。 警察などによりますと、転売する目的で外国籍の窃盗グループが盗んでいるとみられています。 また、盆栽特有の事情も。 日本盆栽協同組合の組合員は「盆栽は持ち運びが比較的楽で、外で管理することが多いことも、盗まれる要因になっているのではないか」と話しています。 三重県内で被害にあった盆栽園は、防犯カメラやセンサーを設置したり、高価な盆栽にはGPSを付けたりしましたが、屋外で育てている盆栽を守るのには限界があるといいます。 「対策がしにくいのは事実。盗む気になったら盗めるのも事実だと思う。自衛しかないかなと思う。生活が苦しいのかどうか知らないが、盆栽を盗むようなことはしてほしくない」(盆栽園 園主)

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