水不足で奥日光の人気観光地「華厳の滝」に異変! 流れ落ちる水の量が減る

とちぎテレビ

奥日光の人気の観光地で去年(2023年)の秋から続く水不足や梅雨入りの遅れから異変が起きています。普段とは違う光景に訪れた観光客も驚きを隠せません。

日本三名瀑の1つ日光市の「華厳の滝」は高さ97メートルの岸壁を一気に落下する迫力の滝が魅力ですが、今、異変が起きています。

8年前の映像と比べると流れ落ちる水の量が明らかに減っていのがわかります。

滝の幅は最も上の部分で普段は7メートルほどといいますが現在は極端に水の量が少なく滝よりも岸壁の岩肌が目立っています。あまりの変わりように過去に修学旅行で訪れたことがあるという東京から来た観光客も目を疑っていました。

滝を流れる水の量が減ってしまっている原因は、水源となる中禅寺湖にあります。中禅寺湖は毎年冬の間に水位が低下し、春から回復しますが2023年の秋から雨が少なかった影響か、2024年はいつもの年以上に水位の低下が著しいということです。

県日光土木事務所によりますと、水位が最も下がったのは3月下旬でいつもの年と比べて90センチほども低くなりました。そこで土木事務所では、水位を回復させるため中禅寺湖から華厳の滝につながる水門を調節して水の流れる量を減らしているということです。4月上旬の時点ではいつもの年より50センチほど低く、現在は40センチほどと徐々に回復はしているものの、まだ少し水位が低い状況です。

こうした中、観光業にも影響が出ているといいます。中禅寺湖の観光の目玉の一つ、遊覧船はコースを変更して通常4つある桟橋のうち、「菖蒲ケ浜」と「大使館別荘記念公園」の2カ所は接岸せずに乗り降りしないで通過する特別運航を行っています。また、ボートなどを貸し出すレンタル会社では「一時は桟橋の先まで水が引いて営業に支障が出たものの水位は徐々に戻りつつある」と、まとまった雨を期待していました。

気になるのは梅雨入りの時期ですが、華厳の滝の放水量を管理する県日光土木事務所によりますと、「中禅寺湖の水位の回復状況をみて放水量を調整していく」と話しています。

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