大雨災害を防げ!線状降水帯観測船「凌風丸」円盤状アンテナで水蒸気量観測

災害級の大雨をもたらす恐れがある線状降水帯。その発生を予測するため「水蒸気観測」を行う気象庁の新しい観測船が長崎に入港し、13日船内が報道陣に公開されました。

約30年ぶりに新しくなった海洋気象観測船「凌風丸」(4代目)。
総トン数1986トン、全長およそ85メートル。ことし3月に竣工したばかりで、船内には最新鋭の機器が搭載されています。

「凌風丸」の任務は、災害級の大雨につながる恐れがある線状降水帯の発生予測データの集積です。

線状降水帯は、次々に発生する発達した雨雲が列をなし、数時間にわたって停滞することで大雨をもたらす現象です。その発生を予測するためには、雨雲のもととなる上空の水蒸気量を正確に観測する必要があります。

二つ並んだ円盤状のアンテナ。
凌風丸は水蒸気の流れ込みが多く予想される海域を航行しながら、このアンテナで衛星の電波を受けて水蒸気量を観測します。

気象庁環境・海洋気象課・椿修二さん「アンテナで受信した信号を計算して数値化し、上空の水蒸気量を観測します」
気象庁大気海洋部業務課第三計画係長・町田祐里さん「正確な観測データがあることで、危険地域をより確度高く、より範囲を狭めて具体的にお伝えできるようになってくると思う」

大雨から身を守るための情報を集める「凌風丸」。今月16日に長崎を出港し、九州の西の海域で観測業務にあたります。

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