小泉法相、参考人質疑は「議事録読んでない」 横浜華僑総会・曽さん出席も、入管難民法改正案

参院法務委員会で参考人として意見を陳述する曽さん=5月30日、国会内

 税や社会保険料を故意に納付しない場合に外国人の永住許可の取り消しを可能にする規定を盛り込んだ入管難民法などの改正案を巡る13日の参院法務委員会の審議で、小泉龍司法相は先月30日の同委参考人質疑で横浜華僑総会顧問の曽徳深(そうとくしん)さん(84)らが行った参考人質疑について「事務方から要旨の説明は受けたが議事録は読んでいない」などと答弁し、感想も述べなかった。

 参考人質疑は改正案作成にあたり法務省が永住外国人をはじめとした当事者からの意見聴取を行っていないことに野党が抗議する中で実現した経緯がある。社民党の福島瑞穂党首(比例、神奈川県連合代表)は「長く日本に貢献してきた多くの永住者の声を全く顧みず、不誠実そのものだ」と法相の姿勢を批判し、規定の削除を求めた。

 自民派閥の裏金事件をきっかけとした政治資金規正法改正を巡る混乱で政府与党が機能不全状態に陥る中での答弁。「不勉強にもほどがある」と法相の答弁を評した自民の閣僚経験者は「キックバック資金の処理をだんまりでやり過ごそうとしている議員たちが、この法案を粛々と通すとなれば、とんだブラックユーモアになる」と嘆いた。

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