7月3日から“新紙幣”に 現場では新しいシステム導入に追われる 佐賀にゆかりあるデザインも【佐賀県】

20年ぶりにデザインが一新される“紙幣”7月3日の発行日まで残り1カ月を切りました。佐賀にゆかりがあるデザインも盛り込まれる一方、県内の飲食店や駐車場では新しいシステムを導入しようと対応に追われています。

【女性】
Q・来月から新紙幣です「そうなんですか!全く知らないです」
「ちょっと興味ある」
「触ってみたい」
【男性】
「(新硬貨に)対応できていない自販機があって戻ってくるから困る。あまりころころ変わらないでほしい」
「福沢諭吉のお札を見ると一万円札だなと実感があったので、これがなくなるのはさみしい。「またね」という意味で使いたい」

7月3日から発行される”新紙幣”一万円札には渋沢栄一、五千円札には津田梅子、千円札には北里柴三郎がデザインされています。

【リポート・橋爪和泉】
「じつは、ここ唐津市も新しい紙幣にゆかりがあるんです。それは…唐津市出身の建築家“辰野金吾”です」

【唐津市地域交流部 牛草和人副部長】
「唐津出身の辰野金吾先生が手がけられた東京駅が描かれる。非常にワクワクしている状況」

新一万円札の裏側に描かれる国の重要文化財「東京駅」唐津市出身の建築家辰野金吾の代表作です。市は、ゆかりの地として通し番号「記番号」の若いお札を保管したいと現在、日本銀行に要望しているといいます。

【唐津市地域交流部 牛草和人副部長】
「できれば1番や2番が来てくれるといいなと。ここ(辰野金吾記念館)がゆかりのあるところなので、こちらで展示できれば」

日銀側の返答はまだないということですが…市は“紙幣とのゆかり”を通じて観光客の増加に期待を寄せています。

【唐津市地域交流部 牛草和人副部長】
「辰野金吾先生が生まれたところということに、思いを馳せながら多くの人に唐津に来てもらいたい」

一方、県内では対応に追われる事業者も。

【唐人南パーキング運営 吉村篤さん】
「センサーが読み込まくなる…時間もかかるし、費用も高いなというところ」

佐賀市の中央大通りに面するコインパーキング。新紙幣に対応した精算機は1年ほど前から発注していますが、注文が集中し発行日に間に合わず、10日ほど導入が遅れる見込みです。

【唐人南パーキング運営 吉村篤さん】
「2台を全部入れ替えて1000万円かからないくらい。新紙幣を出されると全部機械の対応をしないといけなくなる、それも事業者持ちになってしまうのでなかなか苦しい」

【リポート・橋爪和泉】
「県内の飲食店も対応に追われています。こちらの店では入り口付近にある食券機での事前精算となっています。支払いは現金のみで、まだ新紙幣には対応していないということです」

魚料理が人気の和食店「おさかな家嬉乃」

【店員】
「1枚ずつですね」
【客】
「一緒には入れられない…」
【店員】
「はい、1200円ありがとうございます」

働くスタッフは60代から80代と高齢化。レジでの現金計算の手間を省こうと4年前に食券機を導入したばかりでした。

【おさかな家嬉乃 加藤久美子女将】
「食券機はまだリースが残ってて買い替えるのもどうしようかというところなのでその(新紙幣発行)タイミングでレジにまた戻そうかなと」

店は新紙幣の発行に合わせメニューや注文システムなどが連携したレジを導入する予定で、現金を使わないキャッシュレス決済も検討を進めています。
一方で、対応できるかどうかスタッフには不安が広がっています。

【勤務6年目 女性スタッフ】
「(食券機に)慣れているからどうなるやらと心配している。新しい機械が入る度に教わりながら慣れていかなくちゃいけない。覚悟はしてます」

物価や人件費の高騰に加え、新しいシステムの導入と負担が重くのしかかる飲食店。
店では6月下旬からクラウドファンディングを活用し、資金を募ることにしています。

【おさかな家嬉乃 加藤久美子女将】
「自転車操業ですよね。人件費も上げなきゃいけない、物価も上がってる、いろいろなものが変わってきてる。ご年配の方たちが対応できるような態勢が整えられれば」

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