人気R&Bグループメンバー 病院でメンバーだと名乗ると拘束「黒人を理由に有名人と信じず精神病扱い」

R&Bコーラス・グループ、フォー・トップスのアレクサンダー・モリス(53)が、自分がフォー・トップスのメンバーだと告げたところ「妄想症」呼ばわりされたとして病院を訴えている。2019年に伝説的なモータウンの同グループに加入したアレクサンダーは、有名人であることを明かしたところ、精神障害と判断され、治療を拒否された上に一時間半拘束、精神鑑定を受けるよう命じられたとしてミシガン州のアセンション・マコム・オークランド病院を相手取り、訴訟を起こした。

心疾患の病歴があるアレクサンダーが、ツアー中に胸の痛みと呼吸困難を感じて病院に運ばれ、緊急治療室に到着した時、スタッフに「ストーカーとファンのせいで現在安全上の懸念がある」と話したが、フォー・トップスのメンバーだとは信じてもらえず、酸素吸入を中止され、代わりに精神鑑定を求められたと訴えている。

アレクサンダーは酸素吸入を求めたが「無視され」、拘束衣を着せられた上、別の場所で治療を受けるので退院させて欲しいという要求も拒否されたという。また、身元を証明するために身分証明書を提示させてほしいと求めたところ、白人の警備員に「その黒いケツで座っておけ」と言われたと主張している。

やがて病院で合流した妻は、「医者から妄想症患者だと思われている」とアレクサンダーから伝えられ、本人であることを確認したが、スタッフがそれを信じたのは、グラミー賞でパフォーマンスしている映像を見せてからだったという。

訴状によると、その時点で精神鑑定は中止、拘束衣が外され、その日三度発作を起こしていたアレクサンダーに酸素吸入を再開、最終的には心筋梗塞と診断されたとされている。

アレクサンダーの弁護士陣はピープル誌への声明で、こう語っている。「私たちの依頼人が病院に来たとき、彼は人種差別をを受けました。病院のスタッフと警備員は、モリス氏が黒人であることを理由に、成功した人物ではなく、精神病だとすぐに思い込んだのです」「たとえ精神病であったとしても、彼は迅速な医療介入を必要とする明らかな緊急事態の真っ只中にいました。病院には、彼の緊急治療を拒否する正当な理由はなかったのです」

アレクサンダーは「謝罪として」地元のスーパーの25ドル(約4000円)のギフトカードを提供されたが、それを拒否したと話している。

同病院、看護師、警備員が被告として挙げられていたが、その警備員はすでに亡くなったとみられている。

医療施設の広報担当者はピープル誌に対し「当病院の患者、関係者、地域の人々の健康、安全、幸福が私たちの最優先事項です」「私たちは人間の尊厳を尊重し、すべての人と地域社会に対して誠実さと思いやりを持って行動することを約束しています」「私たちはいかなる種類の人種差別も容認しません。係争中の訴訟についてはコメントを控えさせていただきます」と語っている。

(BANG Media International/よろず~ニュース)

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