「親や教師に隠れてやるもの」中学校がダンス部に「ヒップホップ禁止令」批判殺到も人気ラッパーの“正論”に集まる共感

呂布カルマのプロとしての私見も共感を集めている

東京都千代田区の区立麹町中学校が、ダンス部に対して出した「ヒップホップ禁止令」が物議を醸している。

「保護者たちの話では、麹町中ダンス部はここ数年、毎年5月の体育祭と10月の文化祭『麹中祭』で、ヒップホップダンスを披露してきました。発表に向け、部員たちは週2回、ヒップホップ専門のコーチから指導を受けていましたが、2023年、学校側が『今年から体育祭でダンス部のヒップホップ発表の場を設けない』ことを決定。さらに2024年4月から、学校はダンス部の活動内容を『創作ダンス』に変更し、コーチも創作ダンス専門に代わったといいます。

一方的な決定に、部員約30人は涙ながらに『ヒップホップを踊りたい』と訴えましたが、判断は覆らず。5月下旬には、麹町中の保護者46人が『生徒が精神的苦痛を受けた』などとして、区の教育委員会に抗議文書を提出したそうです」(週刊誌記者)

ちなみにヒップホップは、創作ダンス、フォークダンスとともに「現代的なリズム表現のダンス」として、新学習指導要領に基づく中学保健体育科の資料にも記されている。また、7月に開幕を控えた2024年のパリ五輪では、ヒップホップダンスの一環とされる「ブレイキン」が新競技として採用が決まっていることもあり、6月12日に「禁止令」が報じられると、「時代錯誤では?」など、学校の対応に批判の声が殺到した。

一方、この「ヒップホップ禁止令」に対して、意外な反応も。ニュースを報じた朝日新聞の記事を引用した、一般ユーザーによる次のXへの投稿は、600万近く表示されている。

《実はヒップホップ禁止令を発動した校長が「ヒップホップは学校で習うものじゃねえストリートで答えを見つけろや」的なストリートヒップホップ原理主義者であった説に1票》

またこの投稿の少し前には、人気ラッパーの呂布カルマが、Xにこう書き込んでいる。

《そもそも学校でヒップホップやろうとしてんのが違う。こっそりやれ》

このポストに対し、《その通りです》《この人がいうなら正しいんだろ》などと共感コメントが殺到し、こちらも表示回数は500万回を超えた。続けてカルマは、

《ヒップホップは非行なので親や学校のバックアップの下にやろうとするのは大間違いです》

《そうじゃないヒップホップも一部存在はしますが基本的には非行です。親や教師に隠れてやるものです》

などと連投。ユーザーからの《それはちがう!どこでもやれるのがヒップホップだ》との指摘には、《どこでも勝手にやるのがヒップホップかな》と返し、持論を貫いた。

さらには、ヒップホップの世界の住人ではないX JAPANのYOSHIKIも、この報道に言及。《え。。? たまたまニュース見てしまった。 なんかかわいそう、なんか事情があるのかな?》と、こちらは生徒たちへの同情をXに投稿。さらに、

《自分は以前、進学校に行って、将来就きたい職業を書くように言われ、ロックスターって書いたら、職員室に呼ばれて、真面目に書け、って凄い勢いで怒られた》

と、教師の価値観を押しつけられた自身の体験をつづり、多くの共感が寄せられた。

麹町中の校長は、朝日新聞の取材に対し「ヒップホップは部活でなく、外でやってもいいと思う」とし、「方針を変更するつもりはない」と語っている。校長が言うのだから、この際、生徒たちは町で踊ったほうがいいだろう。

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