日本、パリ五輪確定まで「あと1セット」から逆転負けに悔しさ露わ 石川「最後の競った場面で勝ち切れず」宮部「勝てなかったのは理由がある」【ネーションズリーグ】

カナダ戦に出場した日本代表の石川真佑【写真:VNL提供】

買取大吉 バレーボールネーションズリーグ2024福岡大会

バレーボールネーションズリーグ(VNL)2024福岡大会は13日、北九州市の西日本総合展示場で女子の予選ラウンド第3週が行われ、世界ランク6位の日本は同10位のカナダに2-3(25-23、25-22、20-25、21-25、14-16)で敗戦。残り5枠のパリ五輪出場権を懸けた今大会の通算成績を7勝3敗とし、6大会連続五輪出場の確定はお預けとなった。2-0からのまさかの逆転負けに選手たちは悔しさを露わにした。

先手必勝を掲げる日本は第1セット(S)、2点を先行されたが、石川真佑のスパイク、岩崎こよみのサービスエースで追いついた。石川が中央に落とす、狙いすましたスパイクで逆転。その後は身長188センチの相手OHキアラ・バンライクに強打を浴びたが、11-11から主将・古賀紗理那の強烈なバックアタックでリードを奪った。石川のレシーブミスなどが目立ったが、25-23で先取した。

第2Sは林琴奈が右に左にスーパーレシーブ。宮部藍梨が速攻を決めると、山田二千華のサービスエースで4-1と先行した。宮部は5-3からブロックを決めるなどノリノリ。8-3から4連続失点したが、古賀がレフトからクロスに抜き、悪い流れを切った。以降は接戦。宮部がブロック、スパイクと得点を重ね、25-22で連取した。

逆転での五輪出場を目指すカナダも譲らない。高さとパワーに苦戦した日本は第3S序盤に4連続失点するなど追いかける展開が続き、20-25で奪われた。第4Sもリードを許し、8-9から5連続失点。攻撃は分厚い壁に阻まれ、21-25でセットカウント2-2に追いつかれた。15点マッチの最終第5Sは岩崎のブロックで先制。古賀のスパイクなど得点するたびに満員の客席が熱狂した。

井上愛里沙が右手一本で執念のレシーブを見せるなど、途中出場の選手たちも一丸。12-13の苦しい状況から古賀がレフトからスパイクを決めた。13-14でマッチポイントを握られてからもう一発。しかし、最後は14-15から相手のサービスエースが決まり、14-16で取られた。

試合後、石川は「相手も勝ちに来ようという姿勢が見られましたし、自分たちも切符をかけた試合で最後の競った場面で勝ち切れなかった。個人としても途中で交代して、ミスが少しあったので自分が反省しないといけないところかなと思います」と悔しがった。

さらに「こういった展開でも全員がしっかり攻める気持ちを持っていましたし、受け身にならずにというところで、コートの中で声掛けはあった」とも語った石川。次戦は1日空いてセルビア戦。「もう一度気持ちを切り替えて、スタートから良いパフォーマンスができるように自分としても準備していきたい」と前を向いた。

また、途中出場からブロックやスパイクで奮闘が目立った宮部は「ゲームの終盤相手に押されてしまったところ、高い打点からのバックローに対応できなかったのかなというのはチーム全体としてある」と回顧した。

「途中から入って流れを変えることはできたのかなと思うけれど、試合に勝ててないし、流れを変えるだけじゃ十分じゃないと今日の試合で分かった。勝てなかったのには理由があると思うので、今日の負けから学べればいい」と敗戦を受け止め、「今日の負けから学ぶことはたくさんある。なぜかというところを突き詰めて、全員で勝ちに向かって頑張っていきたい」と語った。

五輪出場12枠のうち、すでに7チームが切符獲得済み。その他は今大会予選ラウンド終了時の6月17日付世界ランクで決まり、日本は<1>アジア・オセアニアの最上位になるか、<2>出場権のない国のうち上位3か国に入れば6大会連続出場が決定。この日の試合前時点でアジアトップの6位につけ、7位の中国とは1.08ポイント差だった。

<2>の条件では4位イタリア、9位オランダ、10位カナダがライバルだった。日本は15日にセルビア、16日に米国と対戦。タイ開催のVNLファイナルラウンドは、20日から予選上位7か国と開催国の8チームで争われる。

THE ANSWER編集部

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