経口妊娠中絶薬を「制限せず」 米最高裁、現状維持認める判断

アラバマ州の施設の棚に並ぶ経口妊娠中絶薬「ミフェプリストン」の箱=タスカルーサ(AP=共同)

 【ワシントン共同】米連邦最高裁は13日、国内で広く使われる経口妊娠中絶薬「ミフェプリストン」の入手や使用の制限を反中絶団体が求めた訴訟で、この団体に原告の資格がないとして訴えを退けた。食品医薬品局(FDA)が認めた現在の使い方が維持される。中絶に反対する保守派にとって厳しい判断となった。

 中絶の是非は11月の大統領選の主要争点。共和党のトランプ前大統領は命の保護を訴える保守派の支援を受ける。民主党のバイデン大統領は、女性が選択する権利を守ると強調している。

 訴訟は2022年に始まった。FDAによるミフェプリストンの承認や妊娠7週から10週への使用期間拡大、郵送処方の解禁といった措置の取り消しを求めた。認められれば中絶を合法とする州でも薬の入手が制限され、科学的根拠に基づく薬事行政を揺るがす恐れがあった。ミフェプリストンは日本でも昨年4月に承認されている。

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