阪神・西勇が今季初完封 熟練快投114球無四球 古巣斬り3タテ阻止、通算2000投球回にあと1

 完封勝利を飾り、梅野(左)と抱き合って喜ぶ西勇(撮影・立川洋一郎)

 「オリックス0-5阪神」(13日、京セラドーム大阪)

 マウンド上で何度も口元が緩んだ。かつてのチームメートと、昨年の日本シリーズ第6戦以来の対戦。阪神・西勇が待ち望んだ登板を今季初完投&初完封を無四球で彩った。「本当にうれしいです」。慣れ親しんだ京セラドームで声をはずませた。

 「紅白戦みたいな感覚になるし、そこを引き締めていかないといけないし。仲良かった分、変な感じがした」。手の内を知る相手に対して高低、コースを丁寧に突いた。

 初回無死一、二塁を切り抜けると流れに乗った。三~五回は三者凡退。六回1死三塁からは西野を浅い左飛に仕留め、広岡は内角シュートで詰まった二飛。右拳を突き上げてベンチへ戻った。

 8回を終えた時点でちょうど100球。「あの状況で完封を狙わないのは先発ピッチャーじゃない。普通にいく場面」。9回6安打で本塁を踏ませず、23年9月12日・巨人戦以来のシャットアウト。阪神のFAでの加入投手が古巣相手に完封勝利を挙げるのは初めてだった。

 「交流戦でしか(オリックス戦には)投げられないんで」と多くの経験を積んだマウンドで、記憶に残る114球となった。

 チームの連敗を「2」で止める3勝目。「前回、前々回と自分のエラーで負けてしまったので何とか長いイニングを投げるように心がけて、冷静にマウンドに上がることができた」。試合後はバッテリーを組んだ梅野と抱き合い、仲間の再三の好守にも感謝した。

 9回を投げて通算2000投球回にあと1とした。球団史上11人目の快挙はもう目前。次回もチームの勝利に導く快投で大台突破を彩る。

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