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2024年のJ1リーグが、折り返し地点にたどり着こうとしている。20チームで臨んだ前半戦は、良い意味でも悪い意味でもサプライズがあった。また、後半戦の展望につながる新たな材料も見つかった。前半戦をいかに消化し、後半戦に昇華させていくのか、ベテランのサッカージャーナリスト、大住良之と後藤健生が徹底的に語り合った。
■これから優勝争いに「食い込む」チーム
――今後、優勝争いに食い込みそうなチームはどこですか。
後藤「残留争いと違って、そっちは全然分からないよ。鹿島アントラーズも今は調子が良いけど、最後までこのままいけるか分からない。勝点差がそれほど開いているわけじゃないし」
大住「夏までには、ヴィッセル神戸がさらに上がっていくかもしれないね。ただし、やはりACLという罰ゲームが気になるところ。FC東京は、首位と勝点9差か…。今は内容もすごく良いと思うけど、夏に移籍していなくなる選手が出てくるかもしれない。松木玖生とかね」
後藤「そうそう。オリンピックで活躍した若手は、ヨーロッパに引き抜かれていくかもしれないからね。どのチームにとっても、夏に誰かが移籍していくのは頭が痛いよ。あるいは逆に、五輪開催による中断期間中に立て直しに成功するチームが出てくるかもしれないね」
■開幕節からの「猛暑」と20チーム制への「疑問」
――残りのシーズン、注目するチームやポイントはありますか。
大住「今年の夏も暑くなりそうだね。そうなると、運動量が落ちたることが予想されるから、それぞれのチームがどんな対策を立てて、それがどういう結果につながるのか見てみたいよね。そういう対策をして、暑い中でもプレーの質や量が落ちないようにしていかないと、Jリーグのレベルが上がっていかないと思う。シーズン制が変わっても、暑い時期に試合があることには変わりがないからね」
後藤「そうなんだよね。せっかく春秋制からシーズンを変えて暑さを避けようと言っているのに、秋春制と言いながら8月頭に開幕するらしいからね。開幕節から、いきなり猛暑だよ。なんでJ1を20チームに増やしたのか、って話だよね。18チームのままだったら、試合数が少ないから、8月の終わりの開幕にできたのに。本当に、どうしてチーム数を増やしたんだろう。説明がまったくないんだよ」
大住「逆に減らす、というのなら理解できるんだけどね」
■風間八宏×鬼木達で「花開いた」パスサッカー
――後藤さんの注目チームやポイントは何ですか。
後藤「現時点で調子が良いチームは、今後もどうなっていくか見たいよね。でも、今シーズンここまで調子が良い上位陣には、非常にオーソドックスなサッカーをやるチームが多いからなあ。去年から、そういう傾向が強いよね。ただ真面目に頑張るサッカーだけじゃつまらないから、独特のパスサッカーをする昔の川崎フロンターレのように、何か特別なことをやるようなチームが出てきてくれないかなと期待しています」
大住「そんなチームは、簡単には出てこないよ。フロンターレだって、風間八宏監督による積み重ねの上に、鬼木達監督のサッカーが合わさって花開いたわけでしょ」
後藤「じゃあ、風間監督が現在率いている、南葛SCを見にいこうかな。J1じゃなくて、関東リーグ1部だけどね」