【株価比較】海運銘柄「日本郵船」と「商船三井」の業績及び株価、再度上方ブレイクするか注目

2023年1月~2024年6月までの株価推移もチェック

コロナ禍の中、海上輸送費の高騰を背景に、海運銘柄の株価が急騰して大きな注目を集めました。

その後、新型コロナ収束とともに、2022年から2023年にかけては値動きが落ち着きを見せました。

しかし2024年に入り再び海運銘柄の株価は上昇。日本郵船<9101>と商船三井<9104>は高値更新をうかがう値位置まで上昇しています。

株価はさらに上昇し、再び海運株に熱い視線が注がれることになるのか。日本を代表する海運銘柄である「日本郵船」と「商船三井」の業績及び株価を見てみましょう。

※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。

日本郵船<9101>の業績推移

日本郵船<9101>の業績推移及び来期予想は下記となります。

【写真6枚】1・2枚目/日本郵船の決算短信、3・4枚目/商船三井の決算短信、最後に2023年以降の株価チャートを見る
日本郵船の決算短信

2023年3月期

  • 売上高:2兆6160億円(前期比14.7%増)
  • 経常利益:1兆1097億円(同10.6%増)
  • 当期純利益:1兆125億円(同0.3%増)

2024年3月期

  • 売上高:2兆3872億円(前期比▲8.7%減)
  • 経常利益:2613億円(同▲76.5%減)
  • 当期純利益:2286億円(同▲77.4%減)

2025年3月期(予想)

  • 売上高:2兆2290億円(前期比▲4.1%減)
  • 経常利益:2500億円(同▲4.3%減)
  • 当期純利益:2450億円(同7.2%増)

2023年3月期は為替が円安に振れた影響などから過去最高益となり、翌2024年3月期は減収減益となりました。それでも、経常利益・当期純利益は過去3番目の利益水準です。

そして2025年3月期の経常利益は若干の減益予想ですが、当期純利益は増益予想であり、概ね2024年3期並の業績が維持される見込みです。

続いて、商船三井の業績推移を見ていきましょう。

商船三井<9104>の業績推移

商船三井<9104>の業績推移及び来期予想は下記となります。

商船三井の決算短信
商船三井の決算短信

2023年3月期

  • 売上高:1兆6119億円(前期比27.0%増)
  • 経常利益:8115億円(同12.4%増)
  • 当期純利益:7960億円(同12.3%増)

2024年3月期

  • 売上高:1兆6279億円(前期比1.0%増)
  • 経常利益:2589億円(同▲68.1%減)
  • 当期純利益:2616億円(同▲67.1%減)

2025年3月期(予想)

  • 売上高:1兆8000億円(前期比10.6%増)
  • 経常利益:2300億円(同▲11.2%減)
  • 当期純利益:2150億円(同▲17.8%減)

商船三井も日本郵船と同様、2023年3月期に大きな利益を計上しています。そして2024年3月期は巡航速度に戻りました。

ただし2025年3月期は増収の一方で減益予想です。当期純利益を増収としている日本郵船とは異なる内容です。

いずれにしても、両社ともに2023年3月期が業績のピークとなっています。

最後に、日本郵船と商船三井の2023年からの株価を振り返っておきましょう。

日本郵船と商船三井の2023年からの株価を振り返る

本章では、日本郵船と商船三井の株価を2023年から振り返っていきます。

日本郵船の株価チャート

日本郵船の株価チャート

上のチャートをご覧ください。

日本郵船の株価について、2023年はジリ高が続きました。そして2024年に入ると、1月の5236円が高値となった後は反落しました。

しかし4月から反発を開始しており、5月末には5215円に至り高値更新目前まで上昇しています。6月も高値水準は維持されており、高値更新が期待される状態です。

商船三井の株価チャート

つづいて、商戦三井の株価チャートも見ていきましょう。

商船三井の株価チャート

商船三井も2023年は日本郵船と同様にジリ高が続きました。そして2024年2月に高値5511円まで上昇しています。その後は4月から再度上昇したものの、5月の高値は5,290円に留まり、日本郵船に比べると4月以降の上昇は限定的といえます。

ただし2月の高値付近の水準には上昇しており、商船三井も高値更新が期待できる状態といえるでしょう。

両銘柄ともに2023年の高値を超えるか注目

日本を代表する海運銘柄の日本郵船と商船三井ともに、業績は2023年3月期に一旦ピークを迎えました。そして株価は、2024年1月~2月に天井を付けています。その後株価は下落したものの、4月以降の上昇により再度高値の更新を狙う値位置にあります。

しかし2025年3月期は、両社ともに最高益を計上した2023年3月期の業績には届かない見込みです。その中で株価は更に上昇し新たな上昇トレンド入りするのか、それとも業績の後押しなく高値は超えられず反落するか、高値圏での攻防が続く両社の株価の行方が注目されます。

参考資料

  • 日本郵船株式会社「2024年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」
  • 日本郵船株式会社「2023年3月期 通期決算説明会」
  • 商船三井株式会社「2024年3月期 決算短信[日本基準](連結)」
  • 商船三井株式会社「2022年度(2023年3月期)通期決算説明資料」

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