夏の主役たち① バドミントン女子 成功体験を重ねた昭和学園が初戦勝利を目指す 【大分県】

北部九州で開催される全国高校総体(インターハイ)。本特集では県高校総体に勝利し、全国への出場権を獲得した団体、個人を紹介する。

2年連続で全国高校総体のバドミントン女子団体に出場する昭和学園。県高校総体では節目となる50回目(昭和女子高時代含む)の優勝を飾った。昭和学園出身の飯田朱音監督は「決勝戦は相手(大分西)の方が戦力では上だったが、団体戦の勝ち方ができた」と振り返る。

初戦はその日のコンディションを見極めるために、あえてオーダーをシャッフルした。経験の少ない下級生を起用し、ダブルスの相性などを確かめた。準決勝から、個人シングルスで優勝し、ダブルスで準優勝した清水紀香(3年)をポイントゲッターとし、1年生の諫山桃子をあえて第1シングルスに置くオーダーを組んだ。飯田監督の狙い通り、「諫山にプレッシャーをかけないように、第1、第2ダブルスの2、3年生は自分たちが勝たなければいけないと自覚した」。

第1ダブルスの清水紀香(左)と猪山璃愛

清水は緩急をつけて相手を揺さぶり、ペアの猪山璃愛(2年)の強打を引き出した。清水は「自分が試合を組み立て、ペアの特徴を出すことを考えた。大会を通して楽しむことを大事にしたが、結果にはこだわった」と冷静だった。公式戦デビューとなった諫山は、準決勝では接戦となり、試合中に涙を流す場面があった。「団体戦の緊張とプレッシャーで思うようなプレーができなかった」と振り返る。

それでも監督のアドバイス、先輩の応援で立て直し、勝つことで自信が深まった。「成功体験を積み重ねることで選手は成長する」と飯田監督。選手の力量に合わせ、責任と適度のプレッシャーを与えることで成長を促す。清水はエースとして独り立ちし、下級生は先輩の振る舞い、試合運びを見て、自分の役割を果たすことに全力を尽くす。県高校総体を通してチームの底上げができた。全国で簡単に勝てる試合はないが、これまでと同様に目の前の一戦に集中し、レベルアップを図る。全国高校総体の目標は一戦必勝だ。

成長著しい諫山桃子

(柚野真也)

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