チェックIN&OUTフリー・無料のキャンプ場「3泊4日リレー」北海道・積丹から稚内「自由すぎる旅レポ」

海の間近でキャンプができる「道営野塚野営場」(撮影:東樹 詩織)

広大な大地を有する北海道は、キャンプ好きの聖地ともいえる。山や海、湖畔など様々なロケーションでキャンプを楽しむことができるうえに、無料で使用できるキャンプ場が多いことも魅力だ。

今回は、日本海沿岸を北上し、北海道の最北端に位置する稚内へと向かう、3泊4日のキャンプ旅をレポートする。野営地として紹介する3か所は、フリーサイトかつ無料で利用ができ、チェックイン・チェックアウト時刻も決められていない。時間を気にしない気ままな旅には最適なキャンプ場である。

■“積丹ブルー”を望む「道営野塚野営場」

北海道西部、日本海に突き出た「積丹半島」は、“積丹ブルー”とも呼ばれる透明で美しい海が人気のエリアだ。ウニが名産で、夏には観光客が多く訪れる。

1泊目は、積丹半島の北部に位置する「道営野塚野営場」に立ち寄った。サイトは砂浜になっており、波の音を間近で聞けることが魅力だ。日本海に面しているので、晴れていればテントから美しい夕陽を望むこともできる。朝や夕暮れ時には、海辺に釣り人の姿を多く見かけた。

車で、さらに北へ10分ほど走った場所には、「日本の渚百選」のひとつである「島武意(しまむい)海岸」がある。展望台から絶景を楽しむことができるので、撤収後の寄り道スポットにおすすめだ。

道営野塚野営場から、日本海沿いに北へと向かうルート上には、余市や小樽がある。余市はワインやウイスキーが有名なエリアなので、キャンプの夜の楽しみに購入していくのもよいだろう。小樽は、世界中から観光客が集まる「小樽運河」や、町中に点在する美術館が見どころだ。

道営野塚野営場
・住所 〒046-0325 北海道積丹郡積丹町野塚町
・電話番号 なし
・利用料金 無料
※営業日時はホームページ等よりご確認ください(公式サイトなし)

■旅の中継地点、「黄金岬キャンプ場」

留萌(るもい)市は、北海道の道北エリアに位置する町だ。2泊目は、この場所にある「黄金岬(おうごんみさき)キャンプ場」に立ち寄った。道営野塚野営場からは、日本海沿いの下道を行くと206km、車で約4時間の距離だ。

黄金岬キャンプ場は、少々変わったつくりのキャンプ場である。道沿いの駐車場から階段を4段上がった場所に細長い芝生エリアがあり、その部分がキャンプサイトになっている。奥行きは、ファミリーサイズのテントを張るとちょうどいいぐらいだ。大掛かりな設営をしてじっくりキャンプを楽しむというよりも、テント内で休息をとる程度の利用が適しているかもしれない。長距離ドライブの中継地点としては最適といえる。訪れた日には、ライダーの利用も多かった。

道を挟んで向かい側には、「日本の夕陽百選」にも認定された黄金岬がある。この日はあいにく曇りだったが、晴れていれば日本海に沈む美しい夕陽が見られるという。

黄金岬キャンプ場
・住所 〒077-0048 北海道留萌市大町2丁目1-4
・電話番号 0164-43-6817(NPO 法人留萌観光協会)
・利用料金 無料
※営業日時はホームページ等よりご確認ください(公式サイトなし)

■稚内の夜景が魅力のひとつ「稚内森林公園キャンプ場」

北海道の最北端、稚内市の高台に位置するのが「稚内森林公園キャンプ場」である。黄金岬キャンプ場からの距離は184kmで、所要時間は車で約3時間半だ。稚内へと続く、日本海オロロンラインを走る道中の見どころは、サロベツ原野と呼ばれる広大な湿原だ。海と湿原以外に何もない光景は、地球の原風景を思わせる。

稚内森林公園キャンプ場は広大なフリーサイトを有しており、場内から稚内の夜景を望めるところが魅力のひとつ。キャンプで出たゴミを無料で回収してもらえるのも嬉しい。鹿が多く出没するなど、自然の中に身を置いていることが感じられるキャンプ場だ。

キャンプ場から車で8分の場所には「稚内市北方記念館」があり、稚内周辺の歴史を深く学ぶことができる。また温泉に入りたいときには、2022年に市内にオープンした「ヤムワッカナイ温泉 港のゆ」がおすすめだ。露天風呂に入ると、すぐ目の前をウミネコが飛び交っていた。港町ならではの光景だ。

稚内森林公園キャンプ場
・住所 〒097-0022 北海道稚内市中央1丁目
・電話番号 0162-23-6481(稚内市 建設産業部農政課 農業振興・委員会グループ)
※営業日時はホームページよりご確認ください

■本州からフェリーで北海道へ

本州在住の方でも、青森からフェリーで函館に入り、マイカーで北海道キャンプ旅をすることが可能だ。青森〜函館間は、「青函フェリー」と「津軽海峡フェリー」という2つの選択肢がある。

北海道の大自然に身を置きながら、無料で海キャンプや夜景キャンプが楽しめる3泊4日。ぜひ、このルートを皆さんにもお試しいただきたい。

※この記事の情報は2024年6月現在のものです。内容が変更される場合もありますので、最新の情報はリンク先のHPでご確認ください。

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