ヤマハ、新開発の音源チップや新音響システムを搭載した電子ピアノ「CLP-800シリーズ」

ヤマハは8月1日から、電子ピアノ「Clavinova(クラビノーバ)における「CLP」シリーズの新機種として、「CLP-800」シリーズを順次発売する。カラーは、黒鏡面艶出し仕上げ(PE)、ブラックウッド調仕上げ(B)、ニューダークローズウッド調仕上げ(R)、ホワイトバーチ調仕上げ(WB)の4色。価格はいずれもオープン。

CLP-885PE

グランドピアノの前に座っているような感覚で演奏できる新デザイン

「CLP-800」シリーズは、ハンマーやダンパー、弦といった内部機構が演奏の都度異なる動きをしつつ、無限大の音色を生み出すというグランドピアノ内部の物理的な挙動をシミュレーションするアルゴリズムを導入することによって、多彩な音色変化を再現する技術「グランド・エクスプレッション・モデリング」を進化させ、奏者が意図したさまざまな奏法や演奏時のピアノの内部機構の状態に応じて、同じ音・同じ音量であっても異なる音色表現を可能にしている。

グランドピアノ演奏時の、きょう体全体が鳴り響いて奏者が立体的でクリアな響きに包まれる体験を再現すべく、音を全方位に広く拡散するディフューザーなどの音響部品を搭載するとともに、壁からの反射音を間接音として活用するホーン構造の採用、スピーカーの上向き配置といった、音響構造の工夫を行った。また、上位モデル「CLP-885/875」では、グランドピアノの音像や音場を再現する音響技術「グランド・アコースティック・イメージング」を採用しており、グランドピアノから発せられる音の放射の仕組みを解析して、空間全体に音が降り注ぐよう低・中・高各帯域のスピーカーの配置や向き、音量バランスを最適化することで、グランドピアノ演奏時の音に包まれるような心地よい感覚で演奏を楽しめる。

あわせて、奏者の足先にかかるさまざまな重さの違いやその変化を再現する新「グランドタッチペダル」を採用し、狙った深さでペダルを保持しやすく、繊細なニュアンスも意図したとおりに表現できるようになっている。上位モデル「CLP-885/875」では、改良した「GPレスポンスダンパー」を搭載し、ハーフペダル時のより正確なペダリングをサポートすることによって、グランドピアノのペダルに近い感覚でのペダリングが可能になった。また、鍵盤には押し込まれる深さの違いまで検出できるようセンサーのアルゴリズムを改善して、幅広い奏法を弾き分けられるようにしている。なお、上位モデル「CLP-885/875」では、ハンマーウェイトの重さを最適化して弾き心地とコントロール性をさらに高めた「グランドタッチ-エス鍵盤」を採用する。

さらに、ピアノの演奏体験と楽器のデザインの関係性も深く考慮して、楽器としての温かみや大らかさを感じられるようデザインを一新した。腕木など各所パーツにグランドピアノを感じさせるゆるやかな曲線を取り入れるとともに、上位モデル「CLP-885/875」ではグランドピアノと同じ横幅の譜面板を備えており、グランドピアノの前に座った時に近い感覚での演奏への没入を可能にしている。

そのほか、Bluetooth機能を搭載しスマートデバイス内のオーディオデータの本体スピーカーでの再生や、無料アプリ「スマートピアニスト」とのワイヤレス接続ができる。また、ヘッドホンを着用していることを忘れるほど臨場感あふれる音質で演奏を楽しめるバイノーラルサンプリングに加えて、スピーカーやヘッドホンから意図しない大音量の発生を防ぎ、聴覚を保護する機能を新たに備えた。さらに、小さな子どもでもペダルの練習が可能になるよう、補助ペダルとして使えるオプションペダル「FC35」にも対応している。

発売日は、「CLP-885PE」「CLP-885B」「CLP-875PE」「CLP-875B/R/WB」が8月1日、「CLP-845PE」「CLP-845B/R/WB」「CLP-835PE」「CLP-835B/R/WB」が9月5日。

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