ハラスメント防止条例へ特別委 白河市議会、議員問題で設置

 白河市議が市職員にハラスメント行為をした問題を受け、市議会は13日開会した6月議会で、ハラスメント防止条例の制定に向けた特別委員会の設置を決めた。特別委は委員9人でつくる。同日、初会合を開き、早期の条例制定を目指して協議を加速させることを申し合わせた。

 議員の優位的立場を利用した行政職員へのハラスメント行為が全国的に問題視されており、特別委はどのような行為が当たるかなどを確認し、条例案に再発防止策を反映させる見通し。

 この問題を巡っては、北野唯道議員が業務中の市職員に対し、対面や電話越しに怒鳴りつけるといったパワーハラスメント(パワハラ)があったと政治倫理審査会で認定。北野議員はパラハラに加え、特定の女性職員にストーカー行為もしたとして、市議会が4月の臨時会で北野議員への辞職勧告決議を全会一致で可決した経緯がある。

 筒井議長引責辞任、後任に石名氏選出

石名国光氏

 白河市議によるハラスメント問題を巡り、議会運営に影響が広がった。筒井孝充議長(67)は13日、問題への対応について責任を取り議長を辞任した。同日の本会議で議長選が行われ、後任に石名国光氏(76)=6期=を選出した。

 本会議には市議会が辞職勧告を決議した北野唯道議員(84)も出席した。決議に法的拘束力はない。筒井議員は報道陣の取材に「私が議長を務めることで、同じ混乱の繰り返しになる。新たな議長の下で今後の運営をお願いしたい」と辞任の理由を説明した。

 北野議員は病気を理由に4月の臨時会などを欠席したが「市民から『継続して頑張ってください』という声が多かった。市民のために働きたい」と報道陣に語った。辞職勧告決議に応じなかったことで、議長が引責辞任したことについては「議長が辞める理由が分からない。混乱を招いた自覚がない」と言い切った。

 新議長に就いた石名氏は議場で「さまざまな課題に直面している。全議員一体となって課題に対応し、市民に信頼される議会をつくる」と決意を述べた。

 石名氏は白河市出身。白河農工高卒。2005年の市議選で初当選。副議長、議会運営委員長などを歴任した。

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