維新・馬場代表、「3度目の大阪都構想にチャレンジ」政策実現のためにキャスティングボートを活かす 選挙ドットコムちゃんねるまとめ

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2024年6月9日に公開された動画のテーマは「自民党と立憲 連立組むならどっち?」

次期衆院選では自民党、立憲民主党ともに過半数を割る可能性が示唆されます。キャスティングボートを握る日本維新の会は?馬場代表が大阪都構想三度目のチャレンジなど政策の実現、「第三極として飲み込まれない」戦略を語ります。

【このトピックのポイント】

  • キャスティングボートは積極的に活かすも「是々非々で」
  • 大阪都構想など、政策の実現に合わせた連携を
  • 日本の政治が液状化する中、有言実行できる政党は

馬場氏のプロフィールは以下の通りです。

馬場代表は1965年1月生まれ。ロイヤルホストの「コックさん(調理担当)」を経て政治の世界に入りました。

馬場氏が堺市議から国政に転じたきっかけは、もちろん大阪維新の会への参加です。

当時、自民党に所属していた馬場氏に惚れ込んだ松井氏が、ミナミの寿司屋の個室などで熱心に大阪維新の会への参加を呼びかけられたことが転機となったというエピソードを語りました。

今回の馬場氏への質問は、次の4つです。

「目指すは単独政権」だが「やりたいことのためには是々非々」キャスティング・ボートを握る維新

ゲストの日本維新の会・馬場代表が選んだボールの番号を見て、MC今野忍氏が「5秒で終わっちゃうじゃないですか(笑)」と切り出した本日のテーマ。

馬場伸幸氏「うちは、単独政権を目指してるから。二大政党制の中での単独政権。それが究極の目標。連立とかいうことは、構想の中には、ない」

「こう言わないと、みなさん好きなように報道してくれるから、ひとり悪者になってしまう」という馬場代表。

とはいえ、次の衆院選後の自民党との関係について、連立政権入りに加え、パーシャル(部分)連合や閣外協力の形で連携する可能性に言及したという報道がありました。

馬場代表はこの報道を大きく否定します。

馬場氏「『自民党』とは言ってない。衆院選後の各政党の数を見て、第1党が考えることに協力できるかできないか、ということを否定するものではありませんということ」

政治資金の不記載問題で、内閣ばかりでなく党の支持率まで低下している自民党。かたや、立憲民主党が野党第1党として支持率を上げてきており、先日の衆院3補選では自民全敗など、1年前には考えられなかったことが起きています。

MC今野忍氏「自公で過半数割れして、立憲民主党でも過半数届かない状態だと、維新が組むほうで決まりますよね。これどうですか」

馬場氏は、想定としてはそういうことが言えるとし、「過半数を超えるグループが出てこない時に、ぽかーんとしていることはありえへん」とコメントし、積極的な関与を匂わせます。

しかし、それは維新が掲げてきた政策が実現することがありきだと強調します。

馬場氏「どこの政党であってもずっぽりとやるかと聞かれると、可能性は低い」

馬場氏は、

  • 維新が掲げる大阪都構想や憲法改正が実現できるのか
  • 与党に吸収された過去の第三極のようにならず、政治に緊張感ある状態を最低でも数年間は続ける

という観点を重視していると語ります。

大阪都構想や憲法改正、結党以来の「夢半ばの政策」ができるかどうかで連携

馬場氏「道半ば、夢半ばの大阪都構想や憲法改正といった、結党以来掲げてきた政策ができるのか、できないのかという観点で、どの政党とどういう連携をするのかが、おのずと見えてくる」

MC今野忍「大阪都構想は二度否決されましたが、3度目挑戦されるんですか?」

大阪都構想については、「党内でオーソライズされているとはいえないかもしれない」と言いながらも、「地方分権、地方主権など、地方を自立させるためのチャレンジとして必要」と語ります。

これまでの二度の否決は、大阪市民だけの投票に基づいたものでした。馬場氏は、法律を改正して大阪府民が投票権を持つようにならないと「二重行政を解消するのだから、つじつま合わないんじゃないですか」と訴えます。

馬場氏「(日本維新の会の)組織としてオーソライズされているかといえばそうでないかもしれない。最初から加入した自分としては絶対にやらせてほしいし、それができると日本の統治機構(東京都中央、政府、都道府県、市町村のレイヤー)の構造が確実に崩れていくから。明治時代に廃藩置県をやったように、廃県置藩のような形をして……」

MC今野「中央集権と逆で、地方に権限を強くしていくってことですよね」

維新内には「与党入りは維新の消滅を意味する」(吉村洋文共同代表)として、連携に否定的な声もあります。大阪では大阪の自民党と戦う、大阪維新の会の理屈がありそうですが……。

馬場氏は「吉村共同代表と言っている意味は同じやと思う」と違いがないと返します。

馬場氏「(旧統一教会の被害者救済法のように)本当に協力しあえることがあれば、今もやってるし。これが我々の『是々非々の政治』ということやね」

今の自民党はボロボロ、立憲はイコールフッティング。日本の政治は液状化が進んでいる

最近では、政治資金規正法の改正。自民党は公明党とも折り合いが付かず単独で提出した法案を、公明党と日本維新の会の主張を踏まえた修正案を提出しました。

MC今野「政治資金規正法の改正、これがパーシャル連合になるわけですよね。自民党と今回組んだ理由はどこにあるんですか?」

馬場氏は、「自民党は今、ボロボロ」とコメントします。

党内のガバナンスが効いておらず、見るに見かねた総理が自ら動かないと前に進まない自民党。

馬場氏「うちは単独の法案を出していた。何の交渉もない。自民党はずーっと、他党とのそういうやり取りはほったらかし状態で時間だけが過ぎていったわけね。自民党さんのほうから法律は必ず制定させたいんで、維新さんから何か提案・アイディアないですか、と水面下でアプローチがあって」

そこで、維新の修正案を提示し、合意を得ました。

しかし、合意を得た後、最終合意に至るまでの間でも「トラップみたいなことがいろんなところに用意されてた」と馬場氏は語ります。

馬場氏「例外はダメなんです。全部公開するんですということをやり取りして。相当これは自民党が嫌がっていたけどね」

馬場氏「うちが自民党を助けているみたいなことを思われるのは、不甲斐ないなあとなるわけで。うちの案を100%丸呑みしますと言った以上は、丸呑みしてもらわないと」

自民党から見ると、党首間の合意を維新がちゃぶ台を返したという発言もあったようですが「ちゃぶ台を返してきたのは自民党」と語る馬場氏。

MC今野「(丸呑みしちゃう)岸田さんは弱っちゃっているんですか?それとも」

馬場氏「政治資金規正法を今国会でやらないと『こんなこともできないのか』となり、さらに支持率を下げることになるよね」

野党からは、自民に助け船を出したように見られてしまいかねない維新の動きですが、馬場氏は「ほかの野党はめちゃめちゃ高い球投げてるんやで?」と、実現性の低さを批判します。

馬場氏「維新はなんやとおっしゃる方もいらっしゃるんやね。自民の助け船出してと。でもね、ほかの野党はめちゃめちゃ高い球投げてるんやで?」

立憲民主党は政治資金パーティー全面禁止、企業団体献金廃止を打ち出していますが、とても厳しい条件です。

MC今野忍「立憲のあれはものすごく厳しいですよ。ただ、岡田幹事長はこのまえパーティーやろうとしてましたけどね。大串選対委員長と、党の選挙責任者のナンバー1、ナンバー2がパーティー開こうとして、党の幹事会の中で揉めちゃうくらい」

パーティーを実施しないことや企業団体献金を受け取らないことを、法案に加える前に実行するのはどうかという、維新の働きかけに対し、岡田克也幹事長の回答は「イコールフッティングでないと」とのこと。

MC今野忍「同じ条件にそろえないと不利になる。資金力の差がついちゃうから、ルールにそろえるまでは自分たちもやるということですよね」

馬場氏「そこは考え方の違いで。ここで立憲民主党が、パーティーはやらない。企業団体献金も受け取らない。これをやったら立憲民主党一躍ヒーロー。ほとんどの野党がそうなるわけやから。世論がね、今度自民党を許さなくなっていく」

「イコールフッティングなどと言ってる間は大改革はできませんね、という感じはするわね」と馬場氏は批判します。

続けて馬場氏が問題提起したのは旧文通費(文書交通費)の問題です。国会議員が毎月受け取る、歳費(給料)とは別の、領収書不要で使える100万円ですが……

馬場氏「2年前から維新が言い続けて、自民もやると約束したのに2年半店ざらしになっている」

MC今野「維新は橋下徹さんの時代から廃止しろって言ってますよね」

文通費についてはパーティー券と異なり、原資がすべて税金である上に、所得税がかかりません。この点から、「パーティー券より文通費を公開せん方が悪いと思う。全部税金やのに」と馬場氏は主張します。

文通費に関して、自民党と維新で3点約束したことは以下の通りです。

  • 日割りで支給すること
  • 領収書の公開
  • 残金は国庫に返納

日割りで支給することだけは、2021年に実現。たった1日議員だっただけで100万円の文通費を振り込まれた小野たいすけ衆院議員(日本維新の会)が指摘したことがきっかけです。

馬場氏「もうぼちぼち残りの2つもきちっと結論を出してやりましょと。今回の交渉の中で自民党にも強く言っているので。自民党が決断すればできる」

MC今野「もう、世の中、端から見たら連立政権の布石かな?って」

馬場氏「え?是々非々でやっていくということでね」

連立政権を組む、という発言にはまだ慎重な馬場代表。

馬場氏「いずれにしても、これからしばらくは日本の政治は、液状化してくると思う。国民の皆さんに注目していただきたいのは、有言実行でやるかやらないか。言ったことは絶対に実行する政党・政治家は誰なのかということにぜひご注目いただきたいと思います」

動画本編はこちら!

「大阪都構想、改めて」維新・馬場代表が連立戦略の胸中を語ります!

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