Splunk、「Splunk Enterprise Security 8.0」などセキュリティチーム向けの新機能を発表

by 三柳 英樹

米Splunkは現地時間12日、複数のデータソースにまたがる脅威検出とセキュリティ運用を強化する新たなセキュリティイノベーションを発表した。

新バージョンの「Splunk Enterprise Security 8.0」は、セキュリティチームがリスクをプロアクティブに管理・効果的に軽減できる機能が追加されるほか、脅威ハンティングや頻繁な脅威検出のために、外部にデータが保存されている場所でも直接データを分析できる新機能「Federated Analytics」が追加される。

Splunk Enterprise Security 8.0では、Mission Controlがネイティブに統合され、セキュリティアナリストが脅威の検出、調査、対応を、一元化されたインターフェイスから簡単に実行できるようになる。これにより、運用効率とスピードを向上でき、また用語の標準化とSplunk SOARの自動化機能を連携させることで、アラートのトリアージと調査を迅速化し、高度な分析を行って脅威検出を強化する。

また、Splunk Enterprise Security 8.0では、シームレスなワークフローエクスペリエンスを活用:統一されたワークスペースと対応計画を提供し、脅威の特定、評価、対応を支援。ワンクリックで利用できる最新の情報集約機能とトリアージ機能により、事前に設定した条件に基づいて調査結果を自動的に集約し、重要なインサイトを網羅的に表示する。

検出機能の強化により、リスクベースのアラート戦略を理解して実装するためのターンキー機能を提供。調査が必要な信頼性の高いアラートのみが集約されて生成される。さらに、セキュリティワークフローの各フェーズに適した明確で、簡潔な用語が使われるようになった。

Splunkの新機能「Federated Analytics」は、Splunk Cloud PlatformとクラウドベースのSplunk Enterprise Securityのプライベートプレビュー版に搭載し、データ分析のための新しいアプローチを提供する。

Amazon Web Services(AWS)環境、主要なSaaSプロバイダー、オンプレミス環境、クラウドソースにまたがる組織のセキュリティデータを、専用に構築されたデータレイクに自動的に一元化するサービス「Amazon Security Lake」などのデータの保存場所で直接データを分析できるため、脅威ハンティングや、特定のデータのみをSplunkに取り込んで脅威検出の頻度を高められる。

また、Amazon Security Lakeとシームレスに統合することで、データを再配置することなく、セキュリティインシデントを効率的に検出して調査できる。この機能により、豊富なコンテキストを利用したデータ分析を迅速に行えるようになり、運用の俊敏性が強化され、将来的にはデータプラットフォームも拡張できる。

Federated Analyticsにより、セキュリティチームはさまざまな場所に保存されたデータにタイムリーにアクセスして分析でき、データの整合性を維持しながら遅延を低減する。アナリストは、SplunkとAmazon Security Lakeのデータをシームレスに統合して分析し、セキュリティデータ全体を一元的に表示することで、データ保管のコストと移動の複雑さを軽減できる。データのレベル分けや選択的な取り込み、スマートなデータ管理戦略で運用コストを最適化し、データ管理にかかる支出を削減できる。

また、CiscoがSplunkを買収したことで、セキュリティチームはCisco Talosの脅威インテリジェンスの能力を、Splunk Attack Analyzer、Splunk Enterprise Security、Splunk SOARで活用し、既知の脅威や未知の脅威に対する防御を強化できるようになる。Cisco Talosは、高い信頼を得ている脅威インテリジェンスチームとして、世界トップクラスの研究者、アナリスト、インシデント対応者、エンジニアで構成されている。

Talosの広範な脅威インテリジェンスネットワークを活用することで、Splunkのユーザーは脅威の検出と対応プロセスを効率化し、過剰なアラートを削減できるほか、セキュリティアナリストはよりクリティカルな脅威に集中できると説明。脅威の識別や対応の優先順位を、世界各地で発生しているアウトブレークの元となる脅威で行え、コンテキストに即したインサイトを取得、高度な相関付けを行えるとしている。

Splunk Enterprise Security 8.0は、現在プライベートプレビューの段階で、2024年9月には一般提供を開始予定。SplunkのFederated Analytics機能は、プライベートプレビュー版の提供を2024年7月から開始する予定。Cisco Talosの脅威インテリジェンスとSplunk Enterprise Security、Splunk SOAR、およびSplunk Attack Analyzerの統合は、まもなく開始する予定としている。

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