都知事選告示まで1週間 小池知事「公務を優先」AI動画で実績強調

都知事選挙の告示まであと1週間に迫りました。知事選に出馬を表明した小池知事は「公務を最優先」と話していて、本人の代わりにAIの動画で実績を強調しました。

6月12日、知事選の出馬を表明した小池知事は、6月13日午前、無電柱化を推進する議員や県知事などの会合に参加しました。都道の無電柱化は、小池知事が初当選を果たした際に公約として掲げていた「7つのゼロ」のうちの一つです。

東京都によりますと都道の無電柱化は、就任時の2016年度には39%でしたが2022年度には46%まで進んでいて、会合で小池知事は今後も無電柱化を進めていく意欲を示しました。

小池知事:「都知事として都の条例を作りました、無電柱化を推進するということで、だいたいこの5年間で3500本ほど、東京都においては東京都の都道で削減をしてきているところ。無電柱化を進めていく、それによって防災力、市民都民国民の安全性を守っていく」

また、午後には東京都が開設する働く女性のための相談窓口のイベントに参加しました。「選挙戦においても公務を最優先する」と話す小池知事。政策を発信するために始めたのは…

「みなさんおはようございます。この動画は私AIゆりこがお届けします」AIゆりこ…小池知事のXにアップされたもので、現職の知事として公務を進める本人に変わってAIが動画でこれまでの取り組みを紹介するということです。

一方、6月12日立憲民主党に離党届を提出した蓮舫参議院議員は13日、立憲民主党の所属議員らによる送別会に参加し、知事選にむけた決意を訴えました。

蓮舫氏:「ちょっとだけ先に国会を卒業します。でも、首都東京のトップとなって皆さんと一緒に国を良くしていきたい。支えてください」

会合では都内選出の立憲民主党の議員などが、無所属で出馬表明した蓮舫議員を応援していく考えを示しました。

立憲民主党 酒井菜摘衆院議員:「都政を変えていって欲しいという強い思いも、みんなでオール東京で戦っていきたいと思います」

<小池知事 8年前の公約「7つのゼロ」達成度は?>

3選を目指すことを6月12日に表明した小池知事ですが、初めて都知事選に出馬した8年前、「7つのゼロ」を目指すことを公約に掲げ当選を果たしました。2期8年の都政運営で、この「7つのゼロ」をどこまで達成したのか見ていきたいと思います。

まず、ペットの殺処分は、2015年度の203匹から、2018年度にゼロとなり、現在もゼロが続いています。また、待機児童についても、2017年の8586人から、去年は286人と、大幅に減っています。

そして、23区と多摩地域の経済格差を示す「多摩格差」について、島しょ部を含む、市町村総合交付金は、2016年度の490億円から今年度は620億円に増加し、多摩モノレールの延伸なども進んでいますが、給食費の無償化などを実現できていない自治体があることを考えると、格差是正の効果は限定的とも言えます。

続いて、都道の無電柱化ですが、電柱の地中化率は、16年度の39%から、22年度は46%に増加していますが、ゼロにはまだ遠い状況です。ただ、小池知事は、「センター・コア・エリア」と呼ばれる首都高速中央環状線の内側のエリアについては、ほぼ100%達成しているとし、今後、区道や市道での無電柱化を行っていくことはこれからの課題としていて、各自治体との連携を進めていくとしています。

そして、「残業ゼロ」については都庁職員の残業時間はコロナの対応もあり増えていますが、小池知事は「テレワークの流れが進んでいる」としています。

また、満員電車ゼロについては改善が進んでいて、これについても「テレワークや時差通勤などの流れをつくってきた」と説明しています。

一方で、家族の介護や看護を理由に仕事を辞める人を指す「介護離職」については、2017年の7800人から一昨年、1万4200人と、ほぼ倍増していて、高齢化の波に現在の対策が追い付いていないとも言えますので、小池知事が掲げる「東京大改革3.0」で、どういった公約を打ち出すのかが、注目されます。

過去最多の候補者数となる見込みの都知事選は、今月20日に告示され、来月7日に投開票が行われます。

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