東大生の親の年収は平均より高いらしい。だからといって、学費値上げはアリなのか?

元国税職員さんきゅう倉田です。無人島に一つ持っていくとしたら「電卓」です。

35歳から芸人としての仕事の傍ら東大に入るべく受験勉強を始め、3回目の受験で合格し、現在2年生です。

東京大学はどの文系理系問わず、1・2年生は全員教養学部に所属します。選択制のさまざまな講義に出席するので、知り合いがどんどん増えていきます。

ぼくは現在39歳ですが、マスクをしていれば著しく年齢が離れていることはばれないし、マスクを外して顔を晒していてもみんなそれほど気にしていないようです。

本当は気になっているけれど気を遣って言わないようにしている、ということもあるかもしれませんが、年齢を伝えたときのリアクションで判断しています。

昨日、5限が終わって廊下を歩いていたら、「やあ」と声をかけられました。

ぼくは立ち止まって彼の顔をよく見ます。覚えのない顔でしたが、どこかで会ったのかもしれません。

「えーと、どこで会ったっけ?」

そう聞くと彼は言いました。

「あれ、ごめん、人違いだった」

「間違えないだろ」と心の中でツッコミました。

ぼくの年齢がどれほど不明瞭であったとしても、ぼくほど齢を重ねている友達はいないだろ。

多少似てたとしても、歳が全然違うだろ。

そういう小さな出来事を日々面白いと感じて過ごしています。

東京大学の学費値上げ

2024年5月某日、テレビ東京の夜の報道番組「WBS」を見ていたら、東京大学が学費を20%程度上げることを検討していると伝えられました。

「え、聞いてないんだけど」

どうして、自分の大学の学費の値上げを報道で知らなければいけないんだ。当事者に先に言って欲しかった。

「検討している」とマスコミに伝えるということは、すでに学内では内定しているのでしょう。

実際、それから数週間経った現在、学生には説明がないまま決定の方向で話が進んでいるようです。

こんなとき、東大の学生が手をこまねいていることはありません。

値上げに反対するXのアカウントが立ち上がって意思表明と情報発信が行われ、東大の学生自治会など複数の団体が連帯して緊急集会を開きました。

その名も「学費値上げに反対する全学緊急集会」。

プログラムには3名の教員を招いての説明も含まれています。学生の自主的な運動に教員が参加してくれる点は興味深いです。

なお、先日行われた東大の文化祭「五月祭」では、学費値上げ反対のデモが行われ、大学外の人々にも学費値上げの事実が伝えられています。

現在の東大の学費は年53万円、月に換算すると4万ほど。1年生のときは入学金を含めると、月換算で7万円を負担負担することになります。

20%増額されれば、年間10万円ほどの負担増です。

東京大学の学生の親の年収は、労働者全体の平均年収より高いというデータがありますが、それでも10万円の影響は大きい。

返還が必要な奨学金を受け取る学生は頭を抱えているかもしれないし、働きながら通学するぼくのような人は、抱えはしないけれど頭を触るくらいはしているかもしれません。

総長や学費値上げに賛成した職員の方々には、ぼくらと同じ苦しみを味わってもらうべく、給料を20%下げてほしいと思います。

【前編】では、当事者の視点からみる東大の学費値上げについておおくりしました。

▶つづきの【後編】では、学費値上げの騒動のなか、学食のマネー事情と質についてお伝えします。

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