ついに10歳、適齢期だゾウ! “イケメン”結希の誕生日会 市原ぞうの国 初の日本生まれ同士繁殖にも期待

誕生日プレゼントのフルーツを食べる結希(左)とりり香=12日、市原市の市原ぞうの国

 市原市の動物園「市原ぞうの国」で12日、雄のアジアゾウ「結希」の10歳を祝う誕生日会が開かれ、来園者とスタッフが同園生まれの人気者の大きな節目を祝った。繁殖適齢期を迎えた結希のために建設された飼育舎の見学ツアーも同時開催され、一同が繁殖環境の向上を喜ぶとともに、日本生まれのゾウ同士で初となる新たな命の誕生に期待を膨らませた。

 結希は2014年6月12日に同園で誕生。「希望を結ぶ」との思いを込めて「結希」と名付けられ、父親に似てとても足が長い“イケメン”として広く親しまれてきた。

 誕生日会で結希は、同園生まれの雌のアジアゾウで、仲良しの「りり香」(10歳)と一緒に登場した。バースデーソングで健やかな成長を祝福し、スタッフがスイカやパイナップルなど好物の果物をプレゼント。2頭は来園者が見守る中、行儀良くゆっくりとごちそうを平らげた。

 日本生まれのゾウ同士の初繁殖を目指している同園は昨年、クラウドファンディング(CF)で飼育舎の建設費の一部を資金調達。完成した「新オスゾウ舎」はこの日公開され、多くのツアー参加者が新施設の完成を祝った。

 自然界で雄ゾウは単独で暮らすことが多いため、飼育舎にはさまざまな過ごし方ができるよう運動場や水遊び場、寝室などを整備した。結希は既に昼間の大半の時間を飼育舎で過ごしており、同じく繁殖適齢期となったりり香と、日本生まれのアジアゾウとして最年長の雌の「ゆめ花」(17歳)との交代制で、定期的な同居もスタートしている。

 東京都内から同園に頻繁に訪れるという松下沙也加さん(28)は、誕生日会に立ち合い「スイカを食べる際の結希の器用さに感心した。新しいゾウ舎で間近に姿を見られてよかった」と満足していた。

 飼育舎の完成を受け、今後は来園者の見学施設やアクセスルートを整備する予定。正式なオープンは年内を見込む。同ツアーは今後も不定期で開催予定。予約制で、公式ウェブサイト中の事前予約サイトから受け付ける。

鼻を伸ばした結希にエサを与える来園者ら

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