岩手・宮城内陸地震16年 遺族らが祈りを捧げる 温泉を守り続ける男性

宮城県で18人が犠牲となった岩手・宮城内陸地震から6月14日で16年です。栗原市では遺族らが慰霊碑を訪れ、犠牲者に祈りを捧げました。

宿泊客や従業員ら7人が土石流に巻き込まれ亡くなった駒の湯温泉では遺族ら約30人が慰霊碑を訪れ、地震発生時刻の午前8時43分に合わせて黙とうを捧げました。

2008年6月14日に栗原市で震度6強を観測した岩手・宮城内陸地震では、宮城県で14人が死亡し今も4人の行方が分かっていません。

駒の湯温泉に住み込みで働いていた母親を亡くした菅原恵美さんは、カラーの花と缶コーヒーを供え手を合わせました。

菅原恵美さん「毎年ですけど、やっぱり会いたい気持ちが強いので会いたいねっていう思いで黙とうしました」

地震で母親と兄を亡くした駒の湯温泉の菅原昭夫さんです。毎日、風呂の手入れをしています。

菅原昭夫さん「このぬるいお湯が好きな方には、またいらしてほしいですね」

駒の湯温泉は地震から7年後の2015年に日帰り温泉施設を再開しましたが、新型コロナの影響で2020年から休業しています。

当時、駒の湯温泉の従業員だった弟を亡くした遺族が慰霊に訪れました。

遺族「本当に良いお湯なのよ昔からね。ちょっとぬるいけど、入って上がったらもう温かいの。家に着くまで温かい」

地震前から多くの人に愛されている駒の湯温泉、菅原さんは開湯から400年続く歴史をこれからも守りたいと話します。

菅原昭夫さん「(地震直後は)ああこれで終わったんだなって。駒の湯は終わったんだなっていう思いでいたんですね。生まれ育ってからずっと入っているこのお湯が好きで、このお湯を守っていきたいっていう気持ちはあって今に至ってます」

駒の湯温泉では今後、かつての常連客や知人などに限定して予約を受け付けるということです。

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