マカオ、特殊詐欺事案に絡み香港人の男3人逮捕…4人が被害

警察が公開した特殊詐欺事件の証拠品(写真:マカオ司法警察局)

 マカオ司法警察局は6月13日、マカオで4人の被害が確認された特殊詐欺(電話詐欺)事案に絡み、香港人の男3人を逮捕したと発表。

 同局によれば、同月7日午前、マカオ市民2人から電話詐欺の被害に遭ったとする通報が相次いで寄せられたとのこと。いずれも被害者宅の固定電話に”孫”を名乗る人物から傷害事件の示談金が必要となり、追って弁護士が受け取りに行くとする内容の電話があり、それぞれ自宅を訪ねてきた弁護士を名乗る男に6万パタカ(日本円換算:約117万円)、1万パタカ(約19万円)を渡したが、後に本物の孫と連絡が取って詐欺被害に遭ったことに気づき、警察へ通報するに至ったものという。

 通報を受けた同局が調査を進め、弁護士を名乗ってカネを受け取った男(A)の身元を特定するも、すでにマカオを離れていたことが判明。その後、同月12日に3人目の被害者から通報があり、娘婿を名乗る男から傷害事件の示談金として10万パタカ(約194万円)が必要で、弁護士が自宅に受け取りに来るという内容の電話を受けたと説明。警察が被害者宅の周辺で配備を敷き、現場に現れた男(B)を逮捕。このケースについては、早めの通報が幸いし、金銭的被害は避けられたとのこと。また、被害者宅近くでカネを受け取るため待機していたAを発見し、逮捕。この際、Aは別の被害者から詐取した現金20万香港ドル(約389万円)を所持しており、同局が4人目の被害者に連絡したところ、同様の手法で被害に遭っており、さらに追加で手術費用名目で40万香港ドル(約778万円)を要求されていたことがわかり、被害者宅の近くで男(C)を逮捕したという。

 容疑者3人は電話詐欺グループの指示を受けて動いていたといい、同局では3人を相当巨額詐欺及び組織犯罪の罪で検察院送致するとともに、グループの他のメンバーと詐取したカネの行方について捜査を継続するとした。

 マカオでは前月(5月)以降、香港の犯罪組織が関与したとみられる電話詐欺事案が相次ぎ発生している。被害者の多くがマカオの高齢者といい、同局が累次の注意喚起情報を発出している。

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