定年後は「清掃員」として働きたいです。シルバー人材センターで「月10万円」は稼ぎたいのですが、難しいでしょうか?

シルバー人材センターで清掃員になれる?

シルバー人材センターとは高齢者が働くことで生きがいを得ると共に、地域社会の活性化に貢献する団体です。就業日数や収入の保証はありませんが、紹介される仕事内容は自分の能力や希望に合わせて選択することが可能です。主な仕事内容としては次のようなものが挙げられます。

__・事務分野(一般事務や経理事務など)
・技能分野業(植木の剪定、大工仕事など)
・サービス分野(家事・福祉サービスや育児支援など)
・一般作業分野(屋内・屋外清掃、調理作業、包装・こん包など)__

清掃員は一般作業分野に該当します。職業分類別の就業者数を見ると、「運搬・清掃・包装等」の割合が半数以上を占め、シルバー人材センターでは清掃員として活躍している人が多いことが分かります。清掃の仕事はオフィスビルをはじめ、ショッピングモールや病院、学校などさまざまな場所で活躍の場があるのが特徴です。

月10万円稼ぐことはできる?

65歳以降に清掃員として働く場合、月10万円を稼ぐことは可能なのでしょうか。厚生労働省のデータによると、年齢別の年収は図表1のとおりです。

図表1

厚生労働省 職業情報提供サイトjob tag ビル清掃を基に筆者作成

図表1の年収を月収に直すと、65~69歳は約20万円、70歳以降は約18万円です。就業時間や就業日数によって変動しますが、月収10万円以上稼ぐことは可能だということが分かるでしょう。

月10万円の収入で65歳以降は生活していける?

月10万円の収入で65歳以降生活していけるのかを確認するため、今回は65歳以上の夫婦のみの無職世帯の平均生活費を見ていきましょう。

総務省の2023年家計調査報告によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の消費支出は25万959円、社会保険料などの非消費支出を合わせると28万2497円となっています。

老齢基礎年金を満額受給する場合、夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額は2024年度は月額23万483円です。ここに月収10万円を加えると33万483円となり、前記の支出総額28万2497円の場合、毎月5万円ほどの余剰資金ができるため、生活していけるレベルだといえるでしょう。

ただし突発的な出費に対応できない可能性も考えられるので、支出を抑える対策を講じつつ、生活費の足しのために勤務日数や勤務時間を増やすことを検討するのも良いかもしれません。

定年後に清掃員として月10万円稼ぐことは可能!

定年後に清掃員として働いている人の年収は、65~69歳で「約238万円」、70歳以降で「約214万円」で、月10万円稼ぐことも可能です。65歳以降の生活費を考えてもこの収入ならば生活していけるレベルだといえるでしょう。ただし突発的な支出には対応できない可能性があるため、定期的な生活費の見直しが大切です。

出典

公益社団法人全国シルバー人材センター事業協会 シルバー人材センター事業の概要2023
厚生労働省 職業情報提供サイトjob tag ビル清掃
総務省統計局 家計調査報告(家計収支編)2023年(令和5年)平均結果の概要

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

© 株式会社ブレイク・フィールド社