衛星を使ってキャベツを観測 電通、JAXA、JA嬬恋村が出荷予測と広告最適化で連携

電通と国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)は6月13日、衛星データを活用し、野菜の供給タイミングに合わせて、調味量など関連食品の広告出稿を最適化する需給連携事業に群馬県の嬬恋村農業協同組合(JA嬬恋村)が参画したと発表した。

需給連携事業は、電通とJAXAが2022年度に開始。野菜(キャベツ)の供給が増えるタイミングに合わせて関連食品(調味料など)の広告出稿タイミングの最適化を目指し、衛星データを用いてキャベツの生育状況を観測し、その収穫時期を正確に予測する解析手法を検討してきた。

2023年度には、JA嬬恋村において、衛星データの解析結果と、現地調査から得られるキャベツの詳細な生育状況を評価することで、収穫時期と供給量を高い精度で予測できる手法を開発。予測結果は、同シーズンにおけるJA嬬恋村全体の実際のキャベツ収穫量と概ね近い結果となり、今回のJA嬬恋村参画につながったという。

JA嬬恋村の参画により、現地情報を加えることで、定植期から収穫期までの現地の生育状況、天候状況が正確に把握できるとのこと。解析結果に対するフィードバックを得ることで、電通は出荷時期、出荷量および市場価格の予測精度を上げ、関連広告の出稿タイミングをリアルタイムで最適化していく。

今シーズンにおける出荷時期などの予測に向けて、データの計測や解析を開始しているとのこと。加えて、2023年から小売店など一部流通と連携し、キャベツの供給量が上がるタイミングで、売り場でも需要を高める販売促進などの取り組みを実施しており、2024年度は、店頭と広告を連動した多面的な展開を目指す。

こうした取り組みにより、農作物の生産現場のニーズを踏まえた価格の安定化、農作物の廃棄ロス低減など、社会課題解決に取り組む。

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