伝統の一戦、新たな一歩 致道館高-鶴岡工業高、野球とサッカー定期戦

選手宣誓する致道館高野球部の豊田晃生主将=鶴岡市小真木原野球場

 県立中高一貫校として今春開校した鶴岡市の致道館高と、鶴岡工業高による硬式野球とサッカーの定期戦が13日、同市小真木原公園で行われた。致道館の前身の一つ・鶴岡南高と鶴工の定期戦は、60年以上前に始まり「鶴岡の早慶戦」とも呼ばれたライバル対決。両校は歴史を継承し新たな伝統の一戦にしようと、全校態勢で応援を行い、熱戦を繰り広げた。

 鶴南と鶴工の定期戦は、隣接する両校の部活動の実力を高め合おうと1959(昭和34)年に始まった。鶴南が鶴岡北高と統合し新高校となるため、2023年に幕を閉じた。致道館の開校後、運営を担当してきた生徒会メンバーからの要望が強く、新高校でも継続することが決まった。

 硬式野球とサッカーの両会場で開会式が行われ、硬式野球では致道館野球部主将の3年豊田晃生さん(17)が「第1回という特別の場でプレーできることを誇りに思い、最後の一球まで全力で戦う」と選手宣誓。旧定期戦で恒例だった応援団による「果たし状交換」も行われた。会場には両校ブラスバンドによる演奏が響き、声援を受けた選手は懸命に白球を追った。

 旧定期戦の通算成績は、硬式野球が鶴工36勝、鶴南25勝、6引き分け。サッカーは鶴工27勝、鶴南19勝だった。今回の硬式野球は鶴工が5―2で逆転勝ち。サッカーは致道館が3―0で勝利して、新たな1歩目を刻んだ。致道館生徒会長の一人で鶴北出身の3年亀井春花さん(17)は「初めて見た定期戦は熱気がすごく『ガチンコ』の戦い。伝統あるものを大事につないでいきたい」と笑顔で話していた。

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