バイデン氏、息子の減刑に大統領権限を使うことはないと言明

アメリカのジョー・バイデン大統領は13日、銃の購入などをめぐって連邦法に違反したとして有罪評決を受けた次男ハンター・バイデン氏について、量刑を軽くするために大統領権限を行使することはないと述べた。ホワイトハウスは前日、その可能性についてコメントを避けていた。

バイデン氏は、イタリアで開催中の主要7カ国(G7)首脳会議の場で、「私は陪審団の決定に従うと言った。そのとおりにする。恩赦を与えることはない」と述べた。

また、記者からの質問に答えるかたちで、大統領権限を使って息子の刑を減らすこともしないと表明した。

ハンター氏は、2018年に回転式の拳銃を購入した際に薬物使用について虚偽の申告をしたとして、デラウェア州の連邦裁判所で11日、陪審団から有罪の判決を受けた。

バイデン氏は評決前、息子が有罪とされた場合に恩赦を与えることはないと述べていた。

しかし、ホワイトハウスのカリーン・ジャン=ピエール報道官は評決が出た後、減刑について聞かれるとコメントせず、大統領のこれまでの発言について言及するにとどまっていた。

米大統領の権限

米大統領は、連邦裁判所で有罪とされた人物について、自らの権限で減刑したり、恩赦で有罪評決を無効にしたりできる。一方、州裁判所で有罪評決を受けた人物に関しては、減刑も恩赦もできない。

バイデン氏は13日のG7首脳会議の記者会見で、「息子ハンターをものすごく誇りに思っている」、「彼は中毒を克服した。私が知っている中で最も聡明で、まともな人物の一人だ。私は何もするつもりはなく、そのことに満足している」と述べた。

ハンター氏は今後の量刑言い渡しで、最大25年の禁錮刑を受ける可能性がある。ただ、法律の専門家は、そこまでの長期刑はまずあり得ないとみている。

大統領が自らにも恩赦を与えられるのかどうかは、憲法学者の間でも見解が分かれている。もしドナルド・トランプ前大統領が11月の大統領選挙で勝利し、なおかつ連邦裁判所で審理される2件の刑事事件のいずれかで有罪とされた場合、自身に恩赦を与えようとする最初の大統領になるかもしれない。

(英語記事 Biden says he will not reduce son's sentence

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